「あれ? 今年って29日なかったっけ!?」と間抜けな事を言い出す琴子に白い目を向けた俺。
「今年は2005年で、閏年は去年だ」と答えを教えてやると、琴美が「パパ、ウルウドシって何!?」と聞いてきた。
一瞬、琴子に伝える様に言おうとしてしまった俺だが、琴美は4歳。
流石に大人の言い回しは伝わらないだろうと「4年に一回、2月に29日という日が増えるんだ」と言うと、琴子が「へー、そーなんだ」と相槌を打って何故か俺が焦る。
お前、その年まで覚えてないって何だ??
いや、流石に覚えてる・・・よな!?
俺が不信の目を向けているのに気づいたのか、琴子が「いや、さすがにあたしも・・・ちょっと、忘れてたって言うか・・・うーんと」と必死に言い訳している。
琴美は俺に「4年に一回、パパのお休み増えるの??」と可愛い事を聞いてくる。
思わず琴美のために休みを作ってやりたいが、今週は続けざまに手術が入っている。
「増えるのは日にちだけで働く日だな。今度の休みに琴美と遊んでやるよ」と伝えると、琴子が不満そうに「あたしも」と呟いた。
別に置いて行くと言ってないのになと思いつつ、身重な琴子は家に待機が多かったなと思い出す。
「たまに遠出するか!?」と聞くと、琴子が目を輝かせた。
「ほら、前の29日に入江くんとデートしたじゃない」と言われるが、前の29日は昨年の2月29日だ。
よく覚えていたなと思いつつ思い出してみるが・・・それは昨年じゃなかった。
「琴子、それは琴美が生まれる前じゃないか!?」と俺が聞くと、琴美も「みーちゃん、パパとママとお出かけしてないもん。置いてっちゃヤダ!!」と怒り出す。
「も、勿論、みーちゃんも一緒よ」と言いつつ、あれー!?と首を捻っていた。
琴美は2000年生まれの今4歳。
2004年の2月29日はまだ3歳で入園前だったと思い出す。
つい琴美の頭を撫でていると、琴子が俺の隣に座って寄りかかり出した。
「腹、張ったか!?」と出っ張った腹に手を当てようとしたら、琴美が「ダメっ みーちゃんの!!」と俺によじ登り出す。
まだ二人目が生まれてない今は、琴美が若干赤ちゃん返り中だ。
「分かったよ、琴美のだ」と琴美のパパで居るべく抱えたら、琴美が琴子のお腹に手を当てた。
「これはみーちゃんの妹なんだから、パパはメッよ」
琴子が「ぶっ」と吹いて、腹を揺らして笑っていた。
俺は情けない気分になりながらも「琴美、パパは医者だから患者が痛そうなら診てあげないあげないとダメなんだ」と言うと、琴美は「大変っ ママ、お腹出して」と言って琴子を慌てさせた。
・・・とりあえず、服の上からのお医者さんごっこで勘弁してもらったパパ歴4年の俺だった。
* * *
今年は閏年があるなとゆっくりしていたんですが、気づけば明後日はもう3月なんですよね
なんでゆっくりしていたのやら・・・。
それで慌てて『たしか、デートの話書いてなかったハズ』と読み返したらあって、必死に話ひねり出しました。
3月の話も考えねばっですが、娘の卒業と入学があり、日々バタバタしてます。
二人目でも慌てるもんですが・・・入江家では用意周到なんだろうなぁ。