当直明けに琴子に帰るコールをしたら、いつもの声音じゃなく少し苦しそうな声の琴子に「今すぐ帰る!!」と言って、タクシーに乗って帰宅。
家に帰るなり、身重の琴子に「大丈夫か!?」と聞いたら、ボロボロと涙をこぼして言われた。
「みーちゃんが豆をぶつけられたの」と。
カレンダーを見ると、今日は節分。
心から『被害妄想だろ』と言いたかったが、琴美とて幼稚園児。
ちょっとした手違いや、いさかいくらいはあるだろう。
「・・・で、その琴美はどーした!?」
「部屋で一人にしてって・・・」と琴子が悔しそうに呟く。
どっちが大人だと思いつつも、琴美が生まれる前から(というか俺らが結婚する前からある未来の)子供部屋を訪ねた。
「琴美、豆が当たったと聞いたが・・・大丈夫か!?」
物理的に大丈夫だろう事は分かって居るが、蝶よ花よと育てた自覚はあり、打たれ弱いだろうと心の傷を心配しての事だ。
「パパ、あのね・・・」
部屋で三角座りをしていた琴美が立ち上がって振り向く。
その顔は既に涙目で、俺は琴子じゃなくても心に火が点くのが分かってしまった。
俺の子になんて事を!!!!!
「パパが、ダメだって・・・ケイちゃんが言ってたの」
ん!? どーいう事だ??
「何がパパがダメなのか、パパにはちょっと分からないから詳しく話してごらん!?」
普段は賢い琴美でも、混乱すると琴子の様な受け答えになる。
琴美を抱っこして、将来琴美が使うベッドに腰を下ろしながら琴美の話を聞いてみた。
すると・・・
結論から言えば、琴美のパパである俺は素晴らしく、ケイちゃんのパパはどうしようもない男らしい。
他人の家の内情をどうこう言えないが・・・まあ、それは『ダメ(男)』だろう。
「ケイちゃん、みーちゃんの事ズルイって。パパを交換しなさいって」とギャン泣きする琴美をなだめ、憤る琴子と共に幼稚園に抗議の電話をする事にした。
ついでに豆をぶつけられたのも本当らしい。
女の嫉妬はどうしようもないが・・・こんなくだらない事にも巻き込まれるものなのか??
今後をどうするかと言われても、うちの問題じゃないから始末が悪い。
「入江くん、なんか出来る事ない!?」と琴子に言われ、俺が出来る事は一つだった。
「渡辺(弁護士)紹介するか」
こうして、子供同士のトラブルに、子供が生まれて育児に四苦八苦している俺の友人を更に巻き込んだ。
* * *
ノルマクリアー ただ、1月の話が思い浮かばず早くも2月ネタです
バレンタンデーとかどうしようと思いつつ、日常ネタでごまかす事でしょう。
うちの子達が友達と喧嘩した訳じゃなく・・・いい意味で、琴子似な娘なので騒ぎは起こすけど諍いは無いっぽい(まだオコチャマなので)
バレンタインデーでは友達からチョコを貰えるかもと喜びを報告してきた娘。
・・・いや、上げろよ。うっかりツッコんだ母でした(どうなるやら・・・)
母には内緒だけど、好きな子募集中らしいです。
※その母は私さ。そもそも、募集中って何!?