「もーいーくつ寝るとぉ、クーリースーマース~音譜


楽しそうに鼻歌を歌いながら、何故か料理本をめくる琴子に言いたい。


お前は何も作るなっ・・・と。


「なんで、お前がパーティー料理の本を眺めているんだ!?」


聞きたくはないが、止めておかないと間違いなく出来上がる『何か』の為に、先に声かけをしておく必要がある。


「えーとねぇ・・・あっ あたしが作る訳じゃないのよ!?」と教えられ、ホッと息をついたのも束の間。


「でも、メインはダメでも、ほら、何か作りたいじゃない!? 入江くんの奥さんとしては」


「止めてくれ!!」


俺の妻の座に居たいなら、即その考えを破棄しろよっむかっ


「俺の妻として何かというなら、俺の金で何か買って来い!!」


普段面倒でついカードで買い物をしてしまうが、現金の持ち合わせが無い訳じゃない。


しかも最近ボーナスが支給されたばかりだ。


忙しくて使う暇がないので正月明けにでも二人目の子の何かを買うつもりだった。


「そんな~、入江くんのお金を使うなんて出来ないよ。そーだ、あたしのお給料で食材買うから安心して」


ちっとも安心できやしない!!


俺はため息を吐いて「一体何を作りたいんだ!?」と、琴子と一緒に料理本を見る事にした。


「えーと、あたしでも出来るヤツ??」


自分で作るという割には疑問形な返事だが、それは今更だ。


俺はパラパラと本をめくって、琴子でも出来そうな簡単レシピを見つけた。


「ほら、これならお前にも出来るだろ」


そこにはクリスマスリース形に食材を配したチーズフォンデュが載っていた。


チーズフォンデュそのものはおふくろに作らせようと思う。


大体、パーティーのメイン料理は全ておふくろだ。


いや、違うか。

 

親父さんも手伝ってくれるだろう。


あの二人に任せておけば安心だ。


安心なのに、なぜ・・・。


思わず、レシピを真剣にメモっている琴子を横から眺める。


その本、お前のじゃないのか??


何故メモると思いつつも、間違えない様にメモを取る姿は正しいので訂正はしない。


「これなら、みーちゃん達もお野菜いっぱい食べてくれそうね」


いや、多分ソーセージとパンだけ食べて野菜は残りそうだけどな。

 

 


そんな俺の思い込みは、当日来た子供らの精神年齢の高さに敗北するのだった。


「パパ、じいじとばあばが用意してくれたお野菜美味しかったから、パパもちゃーんと食べてね」と、笑顔の琴美に言われ、家のパーティーも悪くないと我が子から学ぶ。


だから、俺の皿に(飾り切り)キュウリを山にするのヤメロッむかっ


幼稚園児イタズラは、こうして個々から集団に変化するのも学びかと、琴子の腹を見ながら思う。


来年はもっと賑やかになるなと覚悟も決まったのだった。

 

* * *

 

気付いたら、クリスマス目前になってます滝汗

チャットしますよーと言ったきり、まだ日程決まってません。

年末になるとうちも帰省してしまうので、他のメンバーさんの案内から飛べる様にしたいと思っています。

今回参加が無理でも、来年にまた機会を設けようとは思っていますので、都合が良い時はご参加くださいね。

年末まで後一回ノルマ残してるので、年末の挨拶はそちらでしたいと思います。

では、楽しいクリスマスになりますようにクリスマスツリー