「入江くん、トリック・・・」と言ったところで、入江くんがあたしを凝視している事に気づいた。
「いや~ん、そんな妻が魅力的だからって」と、冗談半分で喜んだら無言で頭を叩かれた。
ちょっと!! そーゆーのってねぇっ
D・・・なんとかって、ダメなんだからねっ
「あれ? えーと、ヴァ、ヴァンパイア・・・じゃなくて」と、あたしが悩んで居ると、入江くんが「ゴーストか?」と返事をくれた。
ゴーストってたしかおばけよね。
「いや、そーじゃなくて。そーいや、入江くん。なんであたしを見て驚いたの??」と聞いたら、このピンクのカツラが原因みたい。
「凄い色でしょ」と言うと、着替えながらも嫌そうに溜息を吐く。
なんか・・・そんな姿も色っぽくて、入江くんてつくづく美形だと思う。
これがあたしの旦那様なんだから・・・キャーダンナ様よ、旦那様!!
「トリックでもいいかも」って言ったら、入江くんが嫌そうに「仕掛ける気もないのに、引っかかるのは参るな」と呟いて下に行っちゃった。
仕掛ける気・・・うん、入江くんはやりそうにないよね。
だからあたしがこうしてやろうかと・・・。
はっ!?
ま、まさか、入江くんってば、おかしな物にもう引っかかってきたの!?
あたしじゃダメだから??
「ま、待ってーーー、入江くん」
と、入江くんを追いかけてダイニングでご飯を食べている入江くんを強襲した(らしい)ら、入江くんが味噌汁を飲みながら顔をしかめた。
「ねえ、怒らないから教えて。何に引っかかったの!?」と真剣に聞いたら、お義母さんまで「お兄ちゃん、正直に答えないと明日からきゅうり攻めよ」とあたしを援護してくれた。
あたしの権幕にダイニングに来た裕樹くんが「うわ~」とか言うけど、無視よ無視。
「お前のその髪、常軌を逸してるな」と裕樹くんに言われたけど、無視・・・「その髪」
入江くんにまでまた言われて「うん、理美たちとこの日の為に買ったの」と言ったら裕樹に無駄遣いと呟かれたわ。
うっさいわね
入江くんは「他の色無かったのか?」と聞かれ、そーいやカボチャ色があったなとお店のレイアウトを思い出した。
「あたしはこの色が似あうってみんなから・・・」
ほら、新婚だしね。
「みんなって石川と小森だろ」と言われ、その通りなので頷く。
「明日オレンジ買ってくるね」と言ったら、明日はもうハロウィンじゃないって冷静なツッコミされたわ。
さすが入江くん。
因みに裕樹は無駄遣いの上乗せって余計な事言ってたから、このカツラを被せてやったわ。
しかも入江くんに若干似てるから美少女だったのよっ くっ
本当はあのピンクなカツラと昔理美達にプレゼントされたヤツでムフフな計画だったんだけど・・・。
良いのか何なのか・・・最後だけ達成されました。
あたしは何もしない方が・・・って、どーゆー事??
* * *
お久しぶりです。慌てて記事を書いている最中に娘に背後を取られました。
心臓に悪すぎる そんなこんなで整理もままなりません。
来月はイベント佳境なんですよね。間に合うかしら??
後日、チャット案内記事は書きたいと思います。