さて、その流れで結婚―――とはいかないのが王族です。
が・・・
「は? 結婚!?」
王妃がナオキヴィッチの気持ちが固まったからには結婚式をすると声明を発表してしまいました。
「ほら、近々ナオキヴィッチの誕生祭があるじゃない」と簡単に言う王妃にナオキヴィッチは切れます。
「そっちは元々予定されていたが、結婚式はそうじゃない」
「そーなのよねぇ」と困った顔で言う王妃。
「流石に後1ヶ月で誕生祭に結婚式を挙げるのは酷でしょ」
そう言われ、ナオキヴィッチは疲れた顔のまま頷きました。
が・・・
「だからね、結婚式は用意出来次第って事で誕生祭を延期して結婚式の日を祝日にする事にしたのよ。流石に後1ヶ月じゃ無理だけど、誕生祭から年始までは特に宮中行事もなく平和なのよね。と言う訳でナオキヴィッチの誕生日の日付に因んで21日にしたわ。祝日だから思う存分挙げてちょうだい」と言われ、二人は言葉を失うのでした。
王様に確認を取っても王妃がそういうのなら・・・と言葉を濁して政務に掛かり切り。
目を合わせてもくれません。
仕方がないと腹を括ったナオキヴィッチはコトリーナの実家に挨拶に伺う事にしました。
「ナ、ナオキヴィッチ様・・・えーと、サホリーナ様には・・・」
「俺から謝っておく」
きっぱりと言うナオキヴィッチにコトリーナは何も言えません。
流石にティーカップをぶつけそうになってしまった事はきちんと謝罪したいと思うコトリーナでしたが、サホリーナ様と真っ向勝負して勝てる自信はありません。
もし彼女がナオキヴィッチ王子の妃になっていたら・・・と思うと『貴方の代わりに私が責任を持って』とは口が裂けても言えないのでした。
それでもこの立場を誰にも譲りたくないコトリーナはナオキヴィッチに聞きます。
「本当に・・・本当に、あたしでいいの?」と。
ナオキヴィッチはため息を吐いて「ああ、お前に・・・降参した」と少し悔しそうな顔で言いました。
もっと甘ーい台詞が来ると期待していたコトリーナですが、ナオキヴィッチはそういう人だと何となく理解してしまってるので「うん、わかった」と言うに留めました。
今、甘ーい台詞を言われたら100倍頑張れそうですが、結婚式準備で全ての力を使い果たしそうですから。
※実家に行く下りは省略
という訳でサホリーナ様に謝罪云々やら、結婚式の準備やら諸々の事が急ピッチで進められ、二人は語り合う暇もなく準備にまい進どころか爆進するのでした。
* * *
お待たせしました 琴子の誕生日以降にお話を書こうと思ってはいたのですが、緊急事態宣言解除で日常が忙しくなりまして話をまとめる頭に切り替えられませんでした
チャット内で作ったオリキャラをどうしようかなと考えてはいましたが、予想通り(予想外?)に濃いキャラが出来まして、アメブロで発表して良いのかに悩んでいます。
後々は出すつもりなので、直樹の誕生日までお時間くださいませ。
10月にチャットの予定は今のところありません。
ちょっと日常がバタバタしているので、後日バナーを含め色々作業したいと思います。