双子の誕生日から数日が経過するも、我が家は日々がお祭り騒ぎだ。


パーティーですらも日常化していて、何で騒いでいるのかも分からない。


そんな我が家の騒動の発生源は大抵妻の琴子である。


「ねえ、入江くん。あのね・・・」と深刻そうな顔をして告げられた内容に目が点となった。


「あたし・・・知らなかったけど、戸村さん亡くなってたのよっ」


てっきり知り合いかと思い「だったら香典でも包んでおけ」と助言をしたら「入江くん、知らないのあの戸村さんよ!?」と言われ、手術をした歴々の戸村さんという名前の患者を頭の中で検索した。


数人心当たりはあるが、古い人でもう15年は前だと亡くなってしまった事に寂莫感はあまり感じなかった。


「老衰か!?」


うちの病院に定期的に来なかった事を考えるとそういう傾向な気がしたが、琴子は首を横に振って「死因はどうでもいいの」とのたまった。


「ねえ、本当にあの戸村さんを知らないの?入江くん。国民的俳優だよ。えーと、犯人はお前だって人」


それ、全然違うだろと思いつつ、朝のニュースでその人が死亡した事を触れていたのを思い出した。


「そういえば・・・朝に知ったな」と暗に同じニュースを見ていただろと伝えれば、琴子は「そーなの、そーなの」と激しく頷きながら「憧れてたのに・・・酷いよね」と言う。


何がどう酷いのだろうか。そこまで死因を詳しくやっていたのだろうか。


「あたしさぁ、あの人がパパだったら・・・って考えた事があるんだよね」と言われ、再び目が点になる。


えーと、話の飛躍はいつもだが・・・それは流石にないだろう。


「お義母さんの知り合い・・・とかじゃねーよな!?」


それなら、うちのおふくろの知り合いだという方がしっくり来る。


「ううん。そんな有名な人と知り合いなら、みんなに自慢するよ。ほら、あったじゃない、昔お父さんはニュースキャスターって番組」


それを言うならドラマ、な。


「あたし、夢見てたんだよねー。友達のめぐみちゃんが羨ましくて羨ましくて・・・相原めぐみだったら良かったのにって本気で思った」


そこら辺の妄想が、昔から琴子だと思う。


「で、相原めぐみだったとしたら、俺と出会わず、ついでに子供に琴の字が付くことも・・・」


やっぱダメーーーー


と、琴子に抱き着かれたところで「煩いよ」と琴美が二階から降りてきて琴子を叱った。


「もう子供たち寝てるから静かにしてよね、ママ」と注意をしてからまた上に消える。


そんな琴美はもう大学3年で・・・俺たちが結婚した年と同い年に育っている。


「妄想より・・・今が幸せなんだろ」と俺が言うと、抱き着いたまま琴子が「まーね」とほほ笑む。


「でもおばあちゃんになっちゃうとか、想像もしてなかったな」


途端に俺の中の血が沸騰寸前になりかけた。


今あいつの顔をみたら何をするか分からない・・・から、琴音は早々に結婚して木村家で新婚生活を満喫している。


琴美はまだ家に居るというのに・・・。


「みーちゃんもいつかお嫁に行くのねぇ」とため息をつく琴子に俺は言った。


「婿を取れば問題ない」


琴子はクスクス笑いながら「入江くんの事だから、寂しいからもう一人作るぞって言うかと思った」と爆弾発言をする。


「まあ、その手もあるが・・・」と琴子の提案に乗ろうとしたら、「まぁまぁ~」と琴子に似た顔の真琴が琴子を探して二階から降りてきた。


この子で最後で、次からは孫が増えて行くのか。


流石に孫と子供が同学年は厳しいかもしれないと作るのを躊躇している俺がいる。


琴子もいくら経産婦とは言え超高齢出産は厳しいだろう。


「ママー、一緒に寝て~」と琴音が嫁に行ってから、益々甘えて来た真琴に琴子を取られ、一人で晩酌をする羽目になった。


男親というものはいつだって、我が子には敵わない。


俺は濃いめのウイスキーを飲みながら、軽く溜息を零した。

 

* * *

お久しぶりです。

すっかりPCを触らなくなっている私に夫がそのPC使ってる?と聞いてきました。

思わず・・・取られる滝汗と必死に記事を書きました(笑)

田村さん、夫婦共にファンだったので、ちょっとショックでした。

思わずネタにしましたが・・・。

本当は逃げ恥も組み込みたかったのですが、書いていく内に内容がずれたので省きました。

死と結婚と、家族な内容を書きたくて・・・。

 

琴音ちゃんの結婚に関しては伏線はありますが、内容としては書いていない物です。

まあ、いつかどこかで書けたらいいなと思いつつも、内容がかなりドロドロすると思うのでアメブロでは発表しません。

たまにチャットの時とか裏設定披露していたりします。