クリスマスに琴美の友達一家が集まった折、何故か話題が正月に飛んだらしい。

いや、元々琴子が盛大に勘違いした事を、親友だという二人が弄ったのが原因だ。

親友なのは琴子とではなく、琴美の友人の美麗ちゃんママの高橋さんと、美麗ちゃんと婚約しているらしい太一くんママの小西さんだ。

その二人とママ友になった琴子が「親友っていいなー」と、仲間に入れてほしそうにしているのが気になるが、口は挟まない。

「でもあたしの親友なら理美とじん子かなー?」と変に前向きな琴子なので、親友の有無に悩む事はない。

が、俺の友人の有無に口を出すのは止めてほしい。

「ねえ、入江くんの親友って渡辺くんだよね。結婚式にも行ったし・・・他にも居る!?」ってどういう事だ??

「親友って何人も居るもんじゃないだろ。大体、友人が居たからって毎日のように連絡なんかしない。女子じゃあるまいし」と思ったまま言ったら、琴子がムクれた。

「・・・連絡取ったら悪いの!?」と拗ねるが、別に悪いとは言っていない。

「別に連絡を取るなとは言わないが、男の俺から見れば電話して聞くほどでもない事がほとんどだけれどな。例えばネットで調べるとか、幼稚園に送り迎えしたついでにメモして来たりとかで事足りる」

俺の意見に納得できない琴子は「分かってるけど~」と不満そうな顔をする。

「琴子はあの二人が一緒に旅行に行くという話が羨ましいんだろ。だったら高宮達と同じ事すれば解決じゃないのか」と言うと、琴子は大きくなった腹に手を当てる。

クリスマス(正確にはイブ)に高橋一家と小西一家の3家族合同でパーティーをし、お互いの実家が東京で遠方に行く用事がないから、お正月には清里で過ごす事にしたと琴子に告げたのだ。

清里と言えば琴子と俺の思い出の地でもある。

まあ、琴子には思い出なんかないだろうけど・・・。

「で、うちも清里に行かないかって言いたいのか、お前は!?」と琴子を見つめながら聞いたら、琴子は小さく頷く。

「ほら、だって、みーちゃんが好きな祐二くんも行くんだよ」と伝えられるが無視。

「琴美が仲良くしている美麗ちゃんと太一くんと、そのの祐二くん、な」と言い方を変えて琴子に告げる。

琴美と仲良くしているからって、琴美が彼を好きだというのはまた別な話だ。

「ねえ、みーちゃんにも寂しい思いさせたくないし・・・行かない?」と言われたので「よし、行くか」と心を決めた。

「良かったー。じゃあ、急いで・・・」
秋田に行くか」

俺の言葉に琴子が驚いた顔を向ける。

「秋田だよ。お前の親戚。カマクラも作りたいって言ってたじゃないか。あっ 大仏か」と言うと、琴子が「そ、それは、忘れてってばぁ~」と俺の胸に縋って泣く。

よしよし・・・。

「お義父さんだけ墓参りさせてしまっているし、たまにはお義母さんに琴美を会わせようぜ。これから家族も増えるしな」と言うと、琴子は泣いたまま、うんうんと頷いて「嬉しいよ~あせる」と涙声で返事をした。

決まってからは早い。

おふくろに支度を頼んだのもあり、向こうとも連携して必要な荷物をすぐにまとめてくれ・・・ついでに、着いた時には恒例となった大歓迎カラオケを受けたのだった。



正月早々、村中の人を診察し一仕事した後、気晴らしに外でカマクラを琴美と作った。

が、琴子の為(だけ)に大仏も作り上げた。

「ほら、(お腹の子が幸福になる)ご利益があるといいな。きっと大仏に縁がある子になるだろ」と冗談で言ったのだが、「こりゃまた見事だべー」と親戚一同に感心され、雪像大仏の観光スポットにされるというおかしな事態に。

俺は帰るまで(雪像)大仏を製作したキラキラ生き神様キラキラとして崇められ、非常に居心地が悪かった。

記念写真を(大仏)封印箱に放り込んだのは言うまでもない。

* * *
明日、年末チャットがemaさん宅であります。
お時間ある方は、是非参加してくださいねー。
こちら からどうぞ
参加される方は主婦が多いので、皆さん結構離席しますし、気軽に遊びに来てくださいませニコニコ
私は大体最初から最後まで居りますので、リクエストある方は早めにどうぞ~(笑)
ただ、前回のリクエストをまだ書けていませんので、叶う時期は未定です。
子供の冬休み中は難しいかもxxx。

今回、お祭り主催者のソウさんのgoto話が完結と聞いています。おめでとうございます打ち上げ花火打ち上げ花火打ち上げ花火

イタキス期間2020