基本的には冗談を言ってないが、琴子を苦しめたい訳ではない。

「半分は冗談だ。お前が俺の言動に振り回されて必死になるのは久々だしな。今は病院と家の別々な空間に長く居るし、夫婦の会話が出来ているかと言うとそうでもない。昨日大失敗した訳だし、たまには家以外のところでゆっくり語り合うのもいいんじゃないか」と言うと、琴子はホッとした顔でコクコクと頷いた。

「だから、琴美。早く寝ろよ」と言うと、琴美は「うー」と返事をする。

次は『えー』と『おー』だろうか。

「前にお前が言ってただろ、琴子。俺に服を見立ててほしいって。次の機会がいつになるか分からないし、欲しいなら今日買ってやろうかと思ったんだが」と言ったら、琴子は胸に手を当てて考える。

基準はそこか!?

「えーと、それは嬉しいけど・・・
「スカートだけにするか!?」と聞いたら、ワンピースが欲しいそうだ。

まだ昔松本の服を見立てたのを気にしている気がしてならない。

「前ボタンのワンピースなら今でも着られるぞ」と言うと、琴子は「うー、妊娠が頭から離れないあせる」と頭を抱えて悩んでいた。

ちょっとからかい過ぎたか。

「まだ時間があるし、ゆっくり考えろよ。俺は今日までの服しか持って来てないから自分の服を買おうとは思っている。下着も含めて」と言ったら、琴子が「じゃあ、あたしが見立てていい?」と聞いてきた。

「セールで3900円」と言うと、頬をプーッと膨らませる。

「俺もそれくらいの買うかな」と言うと「もっと良いの選んでみせるもん」と握りこぶしで挑んで来た。

別に手頃な服だったらいくらでも着られるし、それくらいで十分だと思うのだが母親の顔をしていない琴子が新鮮でどうしてもからかってしまう。

琴美に「えーっ」と声を上げられ、最後の『おー』を言われない様に自重した。

「そういえばカッパってさ」と何を言うのかと思ったら、スポーツメーカーに話が飛んだ。

いや、今日はジャージは必要ないぞ!?

確かに運動はしたいが・・・。

「あの時もラケット持ってたから思い出したか!?」と琴子に聞くと、琴子は「何の事??」と自分が言った言葉とカッパの関連付けに気付かない。

「・・・いや、いい」

俺達夫婦の間に須藤さんの話を挟みたくない。

なんかうっかり出会いそうで嫌だ。

「琴美もいつかテニスするかもな」と俺が言うと、琴美は最後の「おーっ」と返事をした。

「みーちゃん、凄いねぇ。もうしっかり返事出来るんだもん」

さっきからさりげなく返事の順が『あ・い・う・え・お』なのも気になるが、返事もタイミングがバッチリなんだよな。

「琴美は俺に似て頭が良さそうだ」と言うと、琴子が「まーね」と鼻高々に言った。

「次の子は俺似の顔で、お前似の頭か!?」とからかうと、琴子は「そんな・・・事がないとは言い切れない、かな!?」と困った顔で返していた。

まあ、二人目(以降)を作ったらそういう組み合わせもあるだろうな。

琴子が否定しない事が妙に嬉しかった。

ついでに琴美は「んーっ」とか行から全てを飛ばして『ん』の返事までこぎつけた。

* * *
取り敢えずノルマな本日分更新しましたが、ホテルまで話がたどり着かないむっ
悪い癖出てますが、終わりますのでご心配なく。
問題は終わりがいつなのか・・・デスヨネ★ 
せっかくなので、チャットの日にはホテルな話書きたいですけど、よく考えたら結婚記念日は翌日だショック!
二日連続(しかも休日)に話が書ける気がしないので、前もって頑張りたいです。
あー、結婚記念日どうしようあせる
前日の20日にはチャットしてますので、良かったら遊びに来てください。