琴子のお馴染みなセリフである「ねえ、入江くん。今日は何の日か知ってる?」と家に帰って早々に聞かれた。

今日は日曜日だが、琴子は勤務日。俺は昨日当直を終えたから午後からようやく休暇に入った。

まあ、明日から普通に働くけどな。

琴子が居ない日は自宅で論文を書くか、本屋に行くのが癖になっている。

今日もいつも通りに論文を書いた後、暇な時間を本屋に当て、本を購入後適当な喫茶店で時間を潰して買った本を読みふけった。

しかも外を歩いたのだから嫌でも目に入るし、職場の性質上女性が多いところだ。

記憶力が良いと自認しているだけに琴子が聞きたい言葉も当たり前に予想できた。

「今日は円周率の日。それに因んで数字の日でもあるな。今日の勤務点数は何点だった?」とわざと聞いてやると琴子が「ウグッ」と言葉を詰まらせた。

それでも口から生まれた様な琴子なので、ただ黙ってすごすごと引き下がる事はせず「いいもーん。今日ね、わざわざ西垣先生が病院に来てくれて勤務しているみんなにコレ配ってくれたんだよー」と俺にクッキーを見せる。

「ふーん『友達』でいたいか」と俺が言ったら「い、入江くん、どーして知ってるの??」と驚かれた。

「ホワイトデーも、贈り物の意味もおふくろが家にいるんだから煩く聞かされている。毎度毎度、琴子に何か買って来いだとかもな。ほら、欲しかったんだろ」と言って、琴子の手に贈り物を落とした。

「な、何これ・・・」と言う琴子に「見ての通りキャラメル」と返事をする。

飴なんて贈り物はベター過ぎて買えなかった。クッキーなんか贈ったら意味を調べた琴子が悲鳴を上げるに違いない。マシュマロなんてその最たる物だ。

しかも今日は俺が誰かに贈り物を買うのかと、周りの女性からジロジロ見られた。

うっかり結婚指輪を嵌めて出なかったのがいけない。まだ既婚と決めつけるには早い年齢なのもあって、誰もかれもが俺に『女性への贈り物』を期待している様な雰囲気を察してしまう。

当日の今日にデパートでの買い物はしたくなく、本屋帰りにコンビニへ行きホワイトデーコーナーの棚の横の奥にある避 妊 具を籠にぶち込み、そのついでにお茶のペットボトルと琴子への贈り物としてサイコロキャラメルを選んで籠に追加した。

店員は男で何も言わずにレジを打つ。まあ、オススメ商品のカラアゲは勧められたが買わずに店を出た。

そんな経緯があるとは知らない琴子は「ふふ、サイコロキャラメルなんて懐かしい。すごろくしたくなっちゃうなー」と言いながら、さっそく一つを口に放り込んでいた。

「ついでに振っておけよ」と言うと、特に疑問を思わずにコロッと振る。

残念ながら1。俺は琴子の腰を抱いてその唇にキスを一つプレゼントした。

「残念だな。次は6を出せよ」と言うと、琴子は必死にサイコロの箱を転がす。

6が出たら・・・今日は6回愛を交わそうと思ったが、残念ながら無理だった。

今日、生/理が始まったらしく、俺が味わえたのは琴子の甘い唇だけだった(でも6回のkissは確実でしょう 笑)


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ホワイトデーの思い出・・・先日、夫が忘れない様に買ってきてくれました。

和菓子

因みに子供はあんこが苦手で食べません。私は夫に聞いた「これ、ノルマ??」
何故か、家族分の4個プレゼントされましたショック! 気持ちは嬉しいがクッキーがいいな(笑)
和菓子も好きですよ。同じ味が4個じゃなければ得意げ