有頂天家族2 最終話&作品の感想 阿呆の血のしからしむるところで | ながめせしまに@無為

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これ知るを知るとなし、知らざるを知らざるとなす。これ知るなり。

最終話 運命の赤い糸

 

 

公式あらすじ

 京都の制空権を寿老人と奪い合う矢三郎の背に弁天の手が伸びる。「いいかげんになさい、矢三郎」。弁天におさえこまれ万事休すかと思われたそのとき、矢三郎の目に映った灯とは……。錯綜する陰謀と騒乱をごちゃ混ぜにした鍋が湯気をあげる。面白きことはよきことなり。

 

最終話感想レビュー

 

 

 もみ合いになっていた矢三郎と寿老人、二代目がなんだかんだで助けに来てくれるのだろうと、内心は安心しながら見ていたら、矢三郎の思い付きに弁天が乗っかり、二代目の住まいに電車ごと突撃。

予想外な展開に思いきり噴いたw さすが有頂天家族だ。まったくもって読めない展開で驚かせてくれるw二代目が色々と気の毒に感じる。

 

 

 

 最初に現れたのは天満屋と寿老人。変身が解けた狸達を全て鍋にしようとする寿老人の指示に従い、天満屋が狸達を捕獲しようとうするが、そこへ狸の守護神ポンポコ仮面が立ち塞がる。教授、足がガクガク震えながらも狸のために身体を張り、前回と今回で株が急上昇。 

 

これで狸らからも許されたようで、後半では狸からの差し入れがあるというほっこりな場面もあった。

 

 

 しかし、海星を巻き込んだことに怒った早雲が乱入して、天満屋ともみ合いに。場がますます混沌に。 すると、そこから更に鬼の手が現れ、天満やと早雲、二人とも連れてさってしまった。なんという意外な決着w

本当に読めない展開。 弁天が屏風の隙間をあけているというナイスアシスト。ついにで寿老人も連れていってくれ( ̄ー ̄;

 

パワーアップアイテムらしきものを飲む弁天。二代目と喧嘩する気満々のようだが、当の二代目は何故かションボリしていたw 弁天は二代目の初恋の人にそっくりらしく、弁天に対して複雑な感情を持っている様子。二代目はその人に振られたが、イギリスまで追いかけた感じだろうか。

 

この女性が原因で、赤玉先生と二代目は親子喧嘩になっていたようだ。恋にうつつを抜かして真面目に修行しない二代目に怒ったのか、金髪女性が赤玉先生の意中の人だったのかまでは良く分からなかった。

 

 

弁天に煽られ遂に二代目がブチ切れ。空中戦をしながら町を破壊しまくるが、結局最後は子供の喧嘩みたいになって笑ったw 髪の毛引っ張りとvs鼻の穴に指突っ込み。

 

二代目、ここでどさくさに紛れて弁天にチューしようとしてるのかと思った。

 

 

 しかし、そんなオチはなくて、息を吹きかけ弁天の髪の毛を燃やす( ;゚─゚)

一時は矢三郎を食おうとしてたので、ちょっとお仕置きして貰うことを望んでいたけど、思ったよりきついお仕置きだったw 弁天は墜落して、二代目勝利で決着。天狗は落ちたらなんかペナルティがある設定だった気がするけど思い出せない。

 

 

そして、初見では理解できなかったシーン。この後、赤玉先生がやってきて、謎の一言で赤玉先生が勝ったみたいな雰囲気になっていて理解できなかった。 最初は二代目が全焼しかけてる家を、天狗の力で嵐を呼び消したのかと思ったのだが、どうも違うようである。

 

先生『悔しいか?悔しかったら強うなれ』

 

直後に登場する赤玉先生が例の扇子で嵐を呼び消したようである。でないと、その後の何故か赤玉先生が勝った風な雰囲気に説明がつかない。二代目に消せない炎を消化して見せたことで、自分の優位性を示したとかそんなところだろうか。アイテム使ってるけど。

 

この一連のシーンは少し解釈が難しい。二代目が泣いてることも、赤玉先生が扇子を捨てて二代目に話しかけた意味も直観的には理解できなかった。直前に矢三郎ママが矢三郎をとめたことを考えると、親として、息子に何かを伝えたかったのをママさんは察したのかもしれない。

 

ただ、赤玉先生が本当に伝えたかったことがいまいちピンとこない。精神的に強くなれと言いたかったのか、あるいは天狗として強くなれと言いたかったのか。

 

二代目は家が燃えて、思いでの品が燃えたことに泣いてるのだろうか。それとも親には敵わなかったことに泣いているのだろうか。

 

そして、矢三郎に「格別の働き大義であった」と労った言葉の意味をいまいち理解できていない。

この一連の数分のシーン、全部分かると感動的なシーンぽいし、何とかそれらしい解釈を立てたかったのだが、5回くらい見なおしたけれど、これだという解釈をたてられなかった(´・ω・`)

 

凄いモヤモヤしてたのだが、その後の海星のシーンでまぁいいかと思えた。

 

 弁天を見舞いにきた矢三郎。弁天の髪の毛はベリーショットになっている。そしていつになく凹んでいる。

 

矢三郎がいう弁天に必要なのは何だろうか。弁天を楽しませ、心の傷を癒してあげられる器のドでかい
人間の恋人であろうか。今回は少し難しい場面が多い。弁天の複雑な境遇を考えると難しいが、やはり二代目が似合そうな気はする。ただ髪やかれてボッコボッコにされてるしなぁ・・・。

 

矢三郎は、自分は弁天に恋してると思いこもうとしいた節があったが、今回の一件でそれが思い込みに過ぎなかったことをはっきりと自覚したのだろうか。それで海星へとしっかり向き合う覚悟を決めたのだろうか。ただ、弁天に付き添いながらも、自分では弁天の心の傷を癒してあげることができないと思っている矢三郎の心中も悲しいものはある。狸はしょせん狸なのだ。

 

 

うって変わってBパート

 

「こんなに反省上手な狸はなかなかいるもんじゃないぞー」

「だいたい、どうして僕らが反省しなくちゃいけないんだ」

「僕たちの性根なんかどうせ治らないから、気にせず旅にでてください」

 

ワロタww 弁天の悩みや重い空気が一気にふっとんだw なんか憎めないキャラにされてしまって悔しい気分だw

 

 

そして、矢一郎と玉欄の祝言。長らく待っていた玉欄が幸せになって何より。矢三郎の破門もとかれていた。赤玉先生はそのヘアスタイルのせいか、攻殻の荒巻を思い出す。いい演技だった。荒巻演じてもぴったりくる。

 

 

 二代目は矢三郎に対しては怒っていなかった。二代目は今回散々な目にあっていたけど器がでかい。

二「君は立派な古狸になるよ」

矢「二代目は立派な天狗になられますよ」

二「私は天狗にはならんよ」

 

文字通り天狗にならないのか、それとも父親のような天狗にはならないよという意味なのか。あるいは、もう天狗なのだから、これから天狗になるような事はないよという意味なのだろうか。ここも少し解釈が難しい。

 

 ここで面白いのは、二代目があれだけ色々あったのに、矢三郎を高く評価しているところが良い場面。

なんやかんやで貸しを作り、会議に自分を自分を担ぎ出したことや、狸鍋になりそうなところを回避したこと、赤玉先生から破門をとかれたこと、そして阿呆らしく生きていることなど、狸でありながらその生を謳歌し粋狂に生きている矢三郎の生き方に敬意を払っているという感じだろうか。 

 

二代目は父親と反目し、天狗になることを頑なに拒んでいた。一方矢三郎は父の総一郎の生き方を誇り、自分は総一郎のような狸になりたいと考えている。この二人の生き方は実に対照的である。それゆえ、父を父と認め、父のような生き方を気に入っている矢三郎を少し羨ましく思っているのかなと。この二人は、似ていないようで似ているのかもしれない。なかなか面白い関係である。

 

 

つちのこ探検隊二号現る。

 

海「本当にいいの?

矢「いいさ

海「私と一緒にいると自慢の化けの皮が剥がれるのよ

矢「なんとかなるだろう

海「いい加減なんだから

矢「これもまた、阿呆の血のしからしむところで

海「んっ!

 

 

 

この二人の関係いいな・・・ 言葉もない。

 

 

     人    (~)
    `Y´  γ´⌒`ヽ   人
          {i:i:i:i:i:i:i:i:} `Y´
        (`・ω・´)         期待した通りの面白さだった!
          (::::::::::::)
           し─J

 

 

作品の感想

 

 最終話は少し難しい場面もあったが、心地よい余韻を残し、最高に楽しかったと思えるいい終わり方だった。色々と起きていた問題もほぼ全部風呂敷畳んで、もうこのままこの作品は完結でいいんじゃないだろうかと思えてしまうほどである。もちろん3期も見たいが。

 

有頂天家族のキャラは矢三郎に限らず、一歩踏み外せばどうなるか分からない危ない綱渡りの緊張状態の世界を生きている。金曜倶楽部に捕まり鍋にされてしまうかもしれないし、天狗の怒りを買うかもしれない、あるいは何かの拍子に人前で化けの皮が剥がれて正体が露見してしまうかもしれない。そんな世界を人間よりも人間らしく生きている、狸らの矜持が面白可笑しい。

 

第2期はなかなかに粒ぞろいのエピソードが揃っていた。第11話の早雲の陰謀が露見した時は本当に驚いた。アニメonlyであれを予想するのはそう簡単なものではないと思うが、あのあっと驚く急展開や、そうかと思えばあっさり鬼に捕まり地獄へ引っ張られる天満屋と早雲。ちょっと目を離せば次のシーンでは何が起きているか分からない。これぞ有頂天家族の醍醐味かもしれない。

 

また、玉欄を始め狸同士の恋愛の物語もよかった。特に海星と矢三郎の関係はなかなか言葉にし難いものがある。海星は常に矢三郎の近くにいて誰よりも近くにいる、だが矢三郎と正面で顔を向き合わすことができない。なんとも奇妙な関係である。時には憎まれ口をたたき合いながらも、二人はしっかり意識しあっている様子が初々しい。 ここに至るまで色々と遠回りはしたが、二人が将来を誓ったのはなんともいい物語を見せてもらったそんな気分になった。

 

 一応、矢三郎を中心に物語は巡っているが、群像劇のように各キャラクターが同時進行で動いており、しかもそのキャラの掘り下げが疎かになることなく、それぞれが見せ場を持って親しみを持てるように描かれている。 本当に見せ方が上手で、昨今あるアニメの作品の中でも、これほど多くのキャラをうまく活かして見せている作品はあまりないのではないだろうか。 

 

繰り返して見ていても飽きないし、大人が楽しむにはもってこいの作品だといえる。会話劇を楽しむのもよし、粋な言い回しを楽しむのもよし、後ろで色々動いてるキャラの動きを楽しむのもよし、またBGMや、街並みも綺麗でそれだけを見ていても飽きない。映画を見ているような気分にもなり、楽しみ方の多様性が多く、クオリティ面では頭一つ抜けている。

 

 

 

OPとED

OP milktub 「鳴るがまま、為すがまま」

ED fhána 「ムーンリバー」

 

OPは有頂天家族らしいナンバー。 OP映像も遊びがいっぱい潜んでいる面白い映像だった。

OPもEDも1期と同じ歌手が担当しているせいか、耳慣れた感じでよかった。1期もfhána が歌っていたのは実は最近知った。この頃はまだfhána もそこまでメジャーではなかったような気がする。ムーンリバーはファナらしい実にいい楽曲だった。

 

 

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