火の呼吸で一生負けない脳をつくる無敗脳ヨガ道場の辻です.
武道,茶道,華道,書道,弓道などの上達には,内感覚が磨かれなければやがて限界が訪れると個人的に感じています.
元来,これらの伝統的様式,作法,行法に関しては,その中に身体作りの要素がちりばめられています.
しかし,所作を通じて,その内感覚が養われるのは,ごく一部のいわゆるセンスのある方々のみです.
例えば,まったく同じグレイシー柔術のテクニックをを学んだとしても,皆ヒクソンのようになれるわけではありません.
グレイシー一族は大家族ですが,ヒクソンほど感覚やメンタルを重視する人はいません.
実際,ヨガをトレーニングに取り入れているのも兄弟の中で彼だけのようにうつります.
そこには,ヨガを取り入れることで自分自身のパフォーマンスがさらにアップするという
思考回路ができあがっていなければヨガを取り入れるまでに至ることはありません.
人間の肉体は単なる物体ではなく,そこには見えない身体意識,エネルギーが宿り,
その部分の開発の重要性に気づくかどうかだと思います.
例えば,丹田や中心軸が大事といわれるのもその一部です.
しかし,これらは物理的にそこには何もなく,
ヨガの身体観である生気鞘,意思鞘次元と呼ばれる気や意識の身体から放たれている感覚なのです.
そして,本来,この部分の身体意識の向上は日本の伝統的な芸道の中に組み込まれているのですが,
それはいわゆる実践編,応用編にあたります.
天才肌の方なら,所作を通じて臍下丹田や中心軸が確立されていくと思われます.
ただ一般的にはなかなか難しいですし,やはりその部分の確立は基礎トレーニングとして
ヨガでみっちり身につけて欲しいという想いが個人的にはあります.
基礎トレーニングとして,内感覚をヨガで身につけ,応用トレーニングとして,書道や華道,武道があるという見方です.
弓聖と称された阿波研造師範は,弓を射る前に徹底的に丹田呼吸をしていました.
弓を腕で引くのではなく,心で引くという感覚は,なかなか外国人には理解されませんでした.
しかしそれこそが臍下丹田や正中線から来る身体感覚の賜なのです.
先日の記事でも一流のアスリートほど内感覚を重視するという記事を書かせていただきました.
“急がば回れ”…これほどヨガによる内感覚の鍛錬とパフォーマンスの向上に当てはまる言葉はないといえます.
宮本武蔵,渾身の一作 『枯木鳴鵙図』
…武蔵の強固な正中線を彷彿とさせます.
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