火の呼吸で一生負けない脳をつくる無敗脳ヨガ道場の辻です.
試合という緊張状態の中,ポジティブなイメージを思い浮かべることができるアスリートは果たして何人いるのでしょうか?
(射撃のオリンピック選手のバイオフィードバック・トレーニングの模様)
北島康介選手などのようにプレッシャーがかかることでさらに潜在能力が発揮される選手もいることはいます.
ただとても少数です.
こういった方は本番直前でも自分が勝利しているイメージを鮮明に作り出すことが得意なのだと思われます.
そして,スポーツ・メンタルトレーニングの技法であるリラクセーション・イメージや勝利イメージを
習得することで本番でその効果がしっかり発揮されると思います.
しかし,ほとんどのアスリートにとって,試合中にポジティブなイメージを思い浮かべることはほぼ不可能に近いといえます.
もしイメージ・トレーニングが本番で効果を発揮するなら先日のソチ・オリンピックなどの大舞台でも
多少緊張はしつつも普段の試合時と同じようなパフォーマンスが発揮できるはずだからです.
そもそもオリンピックという大舞台でもポジティブなイメージが想像できるアスリートにはメンタルトレーニングは不要だといえます.
下手に新しいことを取り入れてパフォーマンスに弊害が出るより,むしろ今のトレーニングの精度を上げていく方が断然に賢い選択だからです.
私は,イメージ・トレーニングなどで顕在意識を一時的にコントロールするよりも
潜在意識にポジティブ・イメージを植え付ける方が得策だと考えています.
潜在意識にポジティブ・イメージが植えつけられるなら試合間近になってわざわざポジティブ・イメージを行う必要性がないと感じているからです.
この未来型イメージ・トレーニングとでもいうものに「ニューロフィードバック」という脳波のトレーニングがあります.
「ニューロフィードバック」には様々なトレーニングの種類があり,
トレーニングの目的に応じて脳波の設定や,脳波電極の取り付け位置が変化します.
「ニューロフィードバック」は,特にミュージシャンやダンサーの芸術性,テクニックを含んだ
パフォーマンスの向上に役立つという論文がいくつかあります.
いくつか同じような結果が得られている論文がありますので一定の再現性のあるトレーニングなのだといえます.
このトレーニングは特殊な音を流し,その音をフィードバックしながらポジティブ・イメージを潜在意識に刷り込んでいくというプログラムです.
この部分だけですと通常の「ニューロフィードバック」のトレーニングですが,
『サイバー・ヨガ』ではヨガの理論と組み合わせることで,さらなるトレーニング効果を引き出しています.
ですので,当スタジオでは,ニューロフィードバックではなく,サイバー・ヨガ『ブレイン・スキャン』プログラムと呼んでいます.
測定した後の脳波の変動や心理テストの結果からも明らかな違いがあります.
トレーニングを受けたクライアントさんが最もその違いを感じると思います.
やはりこのトレーニングにおいてもベースにヨガがあるのとないのとではその効果に大きな違いが生まれてくるといえます.
『呼吸最適化プロファイル』によって分析した心拍変動呼吸も
ヨガの理論を組み込むことで通常の心拍変動呼吸より高い効果を発揮しています.
心拍変動呼吸(サイバー・ブリージング)は,短期的な効果としてリラクセーションを促し,
長期的な効果として副交感神経の感度を高めることが推測されています.
プレッシャーや,あがりに対して高い効果があるのですね.
実際,いくつかの論文においても,リラックスしたり自律神経バランスを整えるのには「ニューロフィードバック」よりも
心拍変動呼吸の方が優れているケースが多々報告されています.
しかし,ミュージシャンやダンサーのパフォーマンスを向上させるような
潜在意識レベルでのイメージ・トレーニングにはニューロフィードバックに遠く及ばないといえます.
つまり,どのトレーニングが最高というものではなく,どのトレーニングにも一長一短があり,
その特性をよく見極め,組み合わせることで最高のプログラムを提供することが大事だと思います.
昔の達人と呼ばれた侍や忍者も状況に応じて,大刀や小刀,槍,手裏剣,棒,六尺棒,半棒,鎖鎌,眉尖刀などを使い回していたそうです.
名刀だからといって一つの武器にこだわるのは命取りであり,発想の転換がある武芸者だけが生き残れたのだと思います.
メンタルトレーニングもこれとまったく同じです.
プログラムを提供する側は,自分が提供するプログラムにおいて,穴がないか誰よりも厳しい目でチェックをし,
常により良いプログラムを開発していくことが望まれるといえます.
80年代初頭に「プラレス3四郎」というロボットアニメがありました.
それに登場するラジコン型ロボット「柔王丸」は,弱点が見つかる度に3四郎がパーツ交換をしてパワーアップしていきました.
「柔王丸」の場合,リング上で相手のロボットと戦うことではじめて弱点が浮かび上がってきます.
実際に敵と戦わせることで理論上では気づかない様々な弱点が見つかるのです.
格闘技のスパーリング,空手の組手がこれにあたり,型稽古だけでは発見できないいくつもの気づきが得られます.
(空手道「禅道会」藤澤選手の“火の呼吸”トレーニングの模様)
私の場合,『サイバー・ヨガ』によるトレーニング効果の「見える化」がこれにあたり,
またアスリートの試合結果や,ミュージシャンのコンサートでの体験から得られたフィードバックが私にとって大きな気づきとなります.
「柔王丸」はその時々で理論上最高の仕上がりでリングに上がっていましたがしょっちゅう負けていました.
理論上の効果と実際の効果との間には大きな隔たりがあり,そこを埋めていくのがトレーナーやコーチの役割なのだと思います.
P.S.
ちなみに,私はタイプ別の「柔王丸」を2台持っています.
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