火の呼吸で一生負けない脳をつくる無敗脳ヨガ道場の辻です。
呼吸のペースを1分間に6回前後にすると副交感神経が優位になりリラックスします.
しかし,その呼吸回数には個人差があり,ある人は,6回/分で最もリラックスし,ある人は5回/分だったりします.
それを見分けるには,専用の生体計測機器を使って検証していく必要があります.
実際にどのようにして分析をしていくかを公開したいと思います.
基本的に呼吸ペーサーに従って呼吸をし,ベースライン(安静状態)から,
6.5回/分,6.0回/分,5.5回/分,5.0回/分,4.5回/分の順に呼吸や心拍,リラクセーションのパワー値(0.1Hz帯域)を検証していきます.
呼吸ペーサー: ボールが上り坂の時に息を吸い,下り坂の時に吐きます.
設定を変え,呼吸ペーサーに従って呼吸をすれば自動的に1分間に5回や6回など,自分に合った呼吸ペースで呼吸が行えるようになっています.
今回は,自分自身のリラックスに最適な呼吸ペースを検証してみました.
少し専門的な内容ですので,よろしければ「心拍変動バイオフィードバック 」の記事を事前にお読みください.
【安静状態】
↑0.1Hz帯域のパワーに変化はなく,心拍リズムもばらばら.
このベースラインを基準として,6.5~4.5回/分の中から最適な呼吸ペースを分析していきます.
※緑線: 0.1Hz帯域のパワー値,グラフ下部(赤線): 心拍
【6.5回/分】
↑呼吸を10秒に一回のペース(0.1Hz)付近で行うため,0.1Hz帯域のパワー値がぐんと高まっているのがご理解いただけると思います.
しかし,グラフ下部の心拍のリズムが不規則です.
これは,この呼吸ペースでは,心臓血管系システム(0.1Hz帯域)がうまく共鳴していないことを指しています.
【6.0回/分】
↑6.0回/分より,0.1Hz帯域のパワー値が上がりました.
心拍の波形の山もそれぞれ高くなり,少し共鳴し始めているのが分かります.
【5.5回/分】
↑心拍の波形がそれぞれ同じ山の高さになってきました.
呼吸により一定の共鳴が生まれ始めています.
でもまだまだ,きれいな波形とはいえません.
【5.0回/分】★私の最適な呼吸ペース(共鳴周波数)!
↑グラフ縦軸の数値を確認しますと,パワー値が1400から4000にまで飛躍的に上がっています.
共鳴するとこのように0.1Hz帯域のグラフが鋭利な山型になります.
心拍の波形もきれいなリズムを刻んでいます.
先程までのようなギザギザが消えているのが分かると思います.
呼吸のペースをたった0.5回減らしただけでこれだけの違いが体内では生まれているのですから恐ろしい話です.
【4.5回/分】
↑4.5回/分もパワー値は下がりますが,良い結果ですね.
しかし,心拍の波形にギザギザが混じってきています.
これは,生理学的にこの呼吸ペースでは少し体に負担をかけていることが推測されます.
【まとめ】
1分間に4.5回~6.5回の呼吸回数の中から,検証した結果,
私の場合,5回/分と4.5回/分で0.1Hz帯域の周波数のパワー値が高まり,心拍の大きな変動がもたらされました.
つまり,4.5~5回のあたりが,私にとって心臓血管系システムに共鳴を与えることのできる呼吸ペースということになります.
何回繰り返しても,この2種類の呼吸ペースでものすごくパワー値が高まります.
ここで悩むのが,どちらの方がより最適な呼吸ぺースなのかという問題です.
結論から申し上げますと,リラクセーションに関しては,どちらの呼吸ペースでも効果が見込めます.
しかし,心拍や血圧を制御している圧受容体に負担をかけないためには,より良い呼吸ペースを探る方が良いといえます.
それでももうほとんど同じようなデータが割り出される場合,どちらでも良いということになります.
その方にとっては,ざっくりとそのあたりが共鳴周波数ということになります.
私の場合とは,逆に1種類の呼吸ペースのみに強く共鳴する方もたくさんいらっしゃいます.
共鳴周波数に悩んだ時は,自分自身がどちらの呼吸ペースがしっくりくるかという部分が重要になってきます.
それでも,今回の私のように似たような共鳴周波数が出てきた場合は,何度もその2種類の呼吸ペースで繰り返し測定します.
数を繰り返せば,どちらがより最適なのかが浮かび上がってきます.
私の場合であれば,1分間に5回の呼吸が最も最適な呼吸ペースでした.
4.5回/分の場合は,大きな心拍変動が確認できましたが,心拍リズムに時折ノイズが入る傾向が有り,
リラックスは出来ても心臓血管系システムには負担をかけている印象を受けました.
これらのグラフは,一部分のデータです.
これ以外に,様々な数値を考慮して実際は検証していきます.
今回は,どのようにして最適な呼吸ペースを検証していくのか?
最適な呼吸ペースの「見える化」を行ってみました.
この分析は,アメリカやヨーロッパの医療機関では普通に行われています.
日本でも3年か5年後には心療内科を中心に普及してくることが予想されます.
指導者不足のためにかなりの遅れをとっています.
お釈迦さんみたいに徹底して自分と向き合ってきた達人は感覚的にこういった自分に最適な呼吸ペースを認識していたことが推測されます.
しかし実際は,このように「見える化」という作業をしない限り到底,分析不可能です.
この世に万人向けの「究極の呼吸法」は存在せず,自分に合った呼吸ペースでの呼吸法が「究極の呼吸法」といえます.
ヨガや運動を普段からしている人は,最適な呼吸ペースは遅い傾向にあるように感じます.
これはあくまでも推測の域を脱しませんので,何ともいえませんが,
鍛錬者と一般健常者における最適な呼吸ペースの違いを今後検証していきたいと考えています.
東京都 港区 田町【無敗脳ヨガ道場】辻でした.
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