「歌川国芳 21世紀の絵画力・後期」府中市美術館 | Muguetの美術館と旅雑記

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府中市美術館で開催していた、春の江戸絵画まつり「歌川国芳 21世紀の絵画力」の後期展示に行ってきました。

前期(3/11~4/9)・後期(4/11~5/7)で全作品が展示替えとなっていました。

 

 

 

一ヶ月前の桜から、すっかり新緑に...

 

会期中に購入したチケットには、2回目半額の割引券が付いています(^∇^)

最終日ということもあり10分ほど入場待ちがありましたが、会場内は思ったほど混雑はしていませんでした。

 

展示構成は前期とほぼ同じで、関連がある作品に入れ替わっていることが多く、前期はここにあの作品があった、と自然と思い出しながら見て回りました。

 

《西塔鬼若丸》

鬼若丸(武蔵坊弁慶の幼名)が鯉と戦う作品が4枚並んでいて、見応えがありました。

国芳は、牛若丸より鬼若丸に魅かれるものがあったのかも、と思ったり。

 
《相馬の古内裏》 錦絵3枚続
昨年も展示されていましたが、やはり外せないですね。この骨の迫力は見飽きないです。
杉田玄白《解体譜(重訂解体新書図編)》も隣に展示され、国芳がこのような書物を参考にして骨格を描いたのではないか(特に顎の穴の位置が正確)、という解説も付け加えられていました。
 
《古猫妙術説》
ネズミ退治に失敗した猫と人間が、難なくネズミを捕らえた古猫に教えを乞うているところ。
古猫の表情と模様が何とも言えない味わい。
 
《おぼろ月猫の盛》 団扇絵
猫を擬人化して吉原の様子を描いています。天保の改革で役者や遊女、芸者などの絵が禁じられていた頃の作品ですが、却って楽しさが伝わってくるような気がします。
 
そして、特別出品作品が後期途中(4月19日)から加わり、上記作品と並んで展示されていました。
《猫の左仮》 団扇絵
存在は知られていながらモノクロの画像しかなかったという作品で、こちらの展覧会の会期中に発見されたそうです。
《おぼろ月猫の盛》と関わりのある作品だと考えられているため、急遽展示が決まったとのことです。
詳しい来歴は明らかにされていませんが、そういう時に見ることができたのは嬉しいことです。
左の料理を運んでいる猫が両方に登場しているのが、ちょっとした楽しい仕掛けですね。
 
前期で見られなかった常設展、「日本の油彩画の流れ」(3/11~5/7展示)も見ることができました。
こちらは、ほぼ貸し切り状態。
 
青木繁・福田たね《逝く春》1906年
青木繁作と言われながらも疑問視されていた作品ですが、修復の過程で福田たねの《行く春》に青木が大幅に手を加え、自らサインしたことがわかりました。
青木の死後もたねが長く手元に置き、その後息子に贈ったそうです。たねの様々な想いが詰まっている作品なのですね。
 
青木繁《少女群舞》1904年
児島虎次郎《ルクサンブール公園の噴水》1920-23年頃
恩地孝四郎《死せる鳩》1920年
等々、初めて見ることができた作品も多く、こちらもゆっくり楽しめました。
 
清水登之《チャイルド洋食店》1924年
ニューヨークの街に紛れ込んで、そのざわめきを心地よく聞きながらお茶をしている気分に...コーヒー
 
先月末から体調を崩して気分も落ち込んでいたのですが、何とか最終日に訪れることができ、だいぶ元気をもらいました音譜