2012年を振り返る(パート2) | 塩田泰造オフィシャルブログ「塩田泰造のムギムギデイズ」Powered by Ameba

2012年を振り返る(パート2)

ふぅ~
お世話になったかたがたの顔を思い浮かべながら
夜更かしして年賀状書きにいそいそ没頭してたら
いつのまにか東の空が焼けてきて、それどころか
いつのまにか西の空が赤くなって、びっくりした
しかも、ぜんぜん書ききれないことにもびっくり

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ホントはブログにも29日くらいに「佳いお年を」
って書きたかったけど大晦日のこの時間じゃな~

どうしてこうなにをやってもぎりぎりなんだろう?
これは、もしかしたら生き方に問題ありなのかも。
そのへん、しっかり見詰める2013年にしようっと
(おそっ)

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元旦に、甥っ子にわたす(ささやか~な)お年玉。
ぽち袋が足らなくなったので,年長の甥っ子には
夏の公演であまった『大入り袋』にしてみました。
縁起がいいことにつながるといいのですが・・



風のように吹きすぎてゆく2012年振り返りブログ
続けてみます
(超長文を気分のままに書きます。お時間ある方
のみお付き合いください~)



秋。
忘れもしない2011年の3月に東北新社の青島太郎
(もしかして親友だったりして?と思っています。
勝手にうすうすそう思っているだけですが)
とともに、豊川稲荷できつねうどんをすすりつつ

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気合いで取り組んでいた仕事が、あの横浜美術館
に映写する、3Dプロジェクションマッピングの祭。
(建物の形状に合わせ投影。うまくいくとまるで
ビルが動いて見えたりするような立体的な仕掛け)

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TVCM一期分の予算を投入する巨大プロジェクト
だったので、実現していたら、その道の先駆者に
なれたかもしれず、太郎ともよく「オレらコンビ
で世界中を回ろうぜ」とか語っておったのですが、
日本人の誰もがご存知のとおり、その直後からは、
節電に向き合う季節が待っていたので、自発的に
中止になりました。だけど、その時につちかった
アイデアを活かせるチャンスをいただいたんです

カレッタ汐留の カレッタイルミネーション2012

自分の仕事を忘れずに見てくれているかたがいる。
そのことをとても有り難く感じました

そのお声がけいただいた松島さんをはじめとする
スーパースターッフさんのおかげで、子どもたち
の歓声が聴こえる満員御礼のショーとなりました
たぶん、きっと、オトムギの公演の百倍くらいの
お客さまにご覧いただいたんだろうな。感謝です。

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反省はいっぱいありますけど、プロジェクション
マッピングは環境が暗ければ暗いほど効果が高く、
LEDのイルミネーションは明るければ明るいほど
美しいという矛盾。その学びは(チャンスあれば)
次回に活かします

観に来てくださったかた、有り難うございます



晩秋。
「晩秋」なんて書くと、尊敬する小津安二郎監督
を思います。超分厚い「全日記」って高価な本を
所有しています。びっくりすることに、日記には
食べたものと飲んだ酒以外殆ど記述がありません。
正真正銘(清らかな)変人だったんでしょうね~

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もうこのあたりまで来ると、けっこう最近なので
まだ振り返るってニュアンスでもないんですけど
『シュガースポット』の季節が来ました。

主演の宮原将護から「泰造さんに、キャッツアイ
の長い稽古期間中と本番中、ぼく一人だけ一度も
褒められなかった」と言われ、とっさに「そりゃ、
次の主演作を見据えてのことさ」と答えましたが、
実はキャッツでバディを組んでた中神一保さんの
(あまり物語に関係ない)妙にスタイリッシュな
絶品の格好良さに目線を奪われてしまっていたの
でした(ショーゴ、マジでごめん~)

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さて、『シュガースポット』ですが・・

しおだ、常々、「作演が独裁者みたいにわがまま
に振る舞う現場は空気がよくない」って、自戒を
こめて意識していたのですが・・なんと!初めて
気づいた当たり前のこと。芝居とは「この芝居は
絶対こうであって欲しい」という作演のわがまま
こそが原動力になって成立してるものなのでした。

『BB』『多摩多摩迷子』『キャッツ♡アイ』と
わがままを言いまくった上半期で満たされた塩田、
一瞬これといったわがままな希求(演出の求心力)
の無い「ふかし」聖人になってしまった、ところ、
大ファンの徳永千奈美さん、満を持してオトムギ
への参加に懸けてくれるスーパー女優の矢島舞美
さんを前にして、なんと・・向かってもらう道を
指し示せないという、飛べない豚はただの豚的な
ちょうずっこけな窮地に落ち入ってしまいました

そんなとき、しおだを明るく鼓舞してくれたのは
宮原将護「ぼく、イケメンじゃなくていいんです、
おじいさんとか、やってみたい」
その奔放なひと言に、演出家のわがままモードが
一気に復活しました。大好きな祖父をショーゴに
重ねてみよう。矢島さんには敢えて欠点を加えて、
大暴れさせてみよう。徳永さんには、敢えて元気
を(ちょっとだけ)マイナスして隠された魅力を
浮き彫りにしよう。豪華絢爛な美男美女ばかりが
集ってくれた座組なので、風通しをキープすべく
三枚目路線を忘れないようにしよう。。などなど。
そしたら、池田稔が稽古場で最高に有効な演出を、
美術田中敏恵さんから美しい「蓮」のセット案を、
舞台監督小野八着さんから物語世界の実現の為の
素晴らしい示唆をいただいて、稽古場が回り始め
・・
あとは(ご覧いただいたお客さまには)知っての
とおりです

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注目する佐藤二朗さんに「アイドルがいなかった。
女優しかいなかった。後半ずっと泣いてしまった。
将護がバナナを食べるシーンは、オレなら、あの
倍以上の時間をかける(笑)。でも、ショーゴに
オレの芝居に出てくれ、と頭を下げてお願いする
ときが来るかもしれないな」とのことばをもらい、

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親愛なる広告業界のクリエイティブディレクター
坂本真司さんからは、「ほんとうに目を疑うほど
(失礼!)舞台の上にいたのは、ほんものの役者
さんだけでした。徳永さんと矢島さん、すばらし
かったです(うっとり)そしてそして、さらなる
『シュガースポット』の収穫(えらそーでごめん
なさい)は、宮原さんの一本立ち感でしょうか。
若さと老成が同居する魅力あふれるキャラクター
で、お亡くなりになった方とは思えないほど w
力強く物語をドライブする、堂々の演技でした。」
との嬉しすぎる感想をいただきました

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しおだ的に付記するなら、村上東奈さんの気合の
ほとばしった演技と、向かい風のときに演出家を
「裸の王様」にせず、誠意の檄入れ(げきいれ)
をしてくれた肥後あかねさんに、特別な感謝を
感じました

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新幹線で「終わりたくない」って発言してくれた
すてきなニューフェイス天月くんとは、新年早々
『帝都華宵歌劇』で再会できるのでたのしみです



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『シュガースポット』公演中に大人の文化祭なる
不思議な催し物をも敢行。大好きな多摩多摩選抜
スーパースターズの声に癒され、ハロプロ研修生
の即興芝居力に唸らされ、ヒョギの篤実な人柄に
触れ、たのしく過ぎていきました

だけど、

「シュガースポット、耳にするのは『良かった』
『号泣』って絶賛の声ばかりなんだけど、オレは、
なぜか感動できなかったんだ。そんなことは泰造
の作品で初めてのことで、苦しかった。苦しくて
自分を疑った」と正直に告白してくれた並木秀介
のことばに、しっかり向き合おうと思う来年です。

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シュガースポットで並木のバディを演じたヒョギ、
愛するミラスタのウルフ全原徳和、岩田有弘など
¨さんずいの漢たち¨を迎える、来春の自主公演で、
そのへん思いのたけをぶちかましたいと思います



こうして

ながながと綴ってきてあらためて実感することは、
こんなにも、好きなことだけやって過ごせたのは、
ひとえに、劇場に足を運んでくださったお客さま
のおかげだということです

大人の麦茶を観に来てくださった、全てのお客様
本当に、どうも有り難うございます!
(敢えて現在形、つかわせてください)

最後に、行きつけの台湾料理屋さんのシニカルな
マスターのことばで締めくくりたいとおもいます
(どんくらいシニカルかというと、2011/3/11に
「あーみんな慌ててるな~、と思いながら缶珈琲
飲んでたよオレ。われながらかっこうつけだね~」
とかつぶやいて哀しい苦笑いするようなひとです)

「塩田泰造の2012年はどうだったかね。いろいろ
あったかね。だけど関係ないが、ひと言いいかね。
中村勘三郎。彼だけは絶対死んじゃいけなかった。
彼だけは、誰から見ても、全ての人間を斜めから
見るオレから見ても、なににも甘えていなかった。
自分が河原乞食の末裔(まつえい)だってことを、
いっときも忘れていなかった、ほんものだったよ」

・・

先を明るく視て、甘えずに精進しようと思います

ながいブログ、読んでくださって
有り難うございます

みなさま
佳いお年をお迎えください(あと数時間だけど~)