書名 変な家
著者 雨穴
感想 (゚з゚)イイカモ?
間取り図が表紙に載っているだけで手に取ってしまった。
売家になっている間取り図に不可解な点を見つけて、その謎に迫っていくミステリー小説。窓のない子供部屋と不思議な空間。謎を追求するうちに、ほかにも似たような家が見つかり、隠されていた謎が明かされていく。
ストーリーはサクサク進んでいき、とても読みやすく、一気に読んでしまった。Webサイトで連載開始して大人気となった作品らしいが、設定や展開に無理な感じはなく、作者の才能を感じる。
主人公が謎に迫っていくあたりも支援者がいるおかげで無理なく展開し、問題の家に住んでいた関係者の登場で、さらに謎が深まるあたりも、いい具合に盛り上がっていく。
ミステリー小説だが、ホラー要素もあり、じわじわとくる怖さがある。犬神家の一族を思い出してしまった。
しかし作品の中ででてくる間取り図については、確かにおかしな箇所があるが、よーく考えてみないと気づくのは難しい。それだけで、手間暇かけて調査を始める動機付けは弱い気がする。
また、間取り図をきっかけにして始まる物語は、推理力というより想像力で謎を解き明かしていくあたり少し都合が良すぎかもしれない。
気になる点は多少あったが、読みやすく、わかりやすく、少し怖い。良本と思います。