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mugimoreのブログ

読書感想文をのせていくブログ。感動した作品は一生懸命お勧めしていきます!

書名 インヴァート invert 城塚翡翠倒叙集
著者 相沢沙呼
金額 1750円

感想 (゚з゚)イイカモ?

 

 


「倒叙」という言葉を皆様はご存じだろうか。

 

mugimoreは恥ずかしながら初耳でした。。ミステリの形式の一つで、犯人およびトリックが冒頭から明かされ、主に犯人の視点で物語が展開するため、犯人の心理描写、殺害時の緊張感、探偵側がどうやってトリックを見抜くかを楽しむタイプの小説、とのこと。


本作品の題名に入っているとおり、倒叙形式の作品が3つ収録されており、主人公の城塚翡翠はこう言いのける。「あなたは探偵の推理を推理できますか?」

本作品は medium 霊媒探偵城塚翡翠の続編である。前作品がかなり面白かったので、期待して手に取った。収録作品は3つあり、題名はそれぞれ、「泡沫の審判」、「雲上の晴れ間」、「信用ならない目撃者」の3つ。

 

一つ目を読み終わった際に、すごくシンプルに終わったため不思議に思ったが、題名に”倒叙集”を見つけ、短編集であることに気づき、そして倒叙とは何ぞや?となった次第である。

 

探偵の推理を推理できるか?とある通り、主人公の城塚翡翠がどうやって犯人を追い詰めるかがキモである。犯人が隠している証拠を推理していくのだが、うまく伏線を描写しており、超人的な解決方法などはなく、安心して読み進めることができる。

 

3作品とも犯人はわりと良い人で、犯罪動機に情状酌量の余地もあるが、城塚翡翠は容赦なく犯人を追い詰めていく。被害者にも罪があることを認めながらも、殺人を完全に否定し、命の大切さを主張するシーンは感動してしまった。

 

「信用ならない目撃者」はトリックが練りこまれており、最後のどんでん返しは見事で、やられた~という感じにる。

 

総じて満足する作品だった。特に「信用ならない目撃者」は最後がとても盛り上がるので、ぜひ皆様におすすめしたい。