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読書感想文をのせていくブログ。感動した作品は一生懸命お勧めしていきます!

書名 雷神
著者 道尾秀介
感想 (・∀・)イイ!!

ハタハタという魚は、スズキ目に属する魚の一種で、別名カミナリウオ、シロハタなどといい、漢字では鰰、鱩、雷魚、燭魚と記載される。

題名の雷神は、作品中でいろいろなメタファーとして使われているがハタハタが一番興味深かった。

 

閑話休題

 

主人公は母の死と、父の犯罪疑惑のせいで過酷な少年時代を過ごすのだが、はたして父親は本当に罪を犯したのか?

主人公は姉と、娘3人で故郷に向かい、過去の事件の調査を始める。村の人の証言などで分かってくる当時の状況を知るほどに、いったい何の罪が明かされようとしているのか、わからなくなってくる。

主人公たちが過去の事件を調査している中で、新たに発生する事件の原因や目的がわからず、ストーリー展開の先が気になり、一気に読み進めてしまった。

 

本作品は設定や展開が練り込まれており、伏線も完全に回収されている。最後には親子の愛情の深さを知り、考えさせられる。そう、本作品は親子愛の物語なのだ。

 

発生した悲しい出来事には全て意味があり、謎の解明とともに最後には集約される。悲しくて切なく、暖かい気持ちになる。

おまけにタイトルの雷神にまつわる、小ネタも色々知ることができる。雷紋、リヒテンベルク図形も初めて見たときは衝撃だった。しかしハタハタにはかなわない。

あえて注文をつけるのであれば、後半にでてくる何もしない探偵役はいらなかったように思う。
突然雰囲気が軽くなってしまい、もったいない気がした。

 

まあ、そんな細かいことはさておき、本作品「雷神」は、実に読みごたえがあり、家族愛を十分に感じることができ、そして小ネタの知識も得ることができる。ぜひおすすめしたい。