書名 高校事変Ⅺ
著者 松岡圭祐
感想 (・∀・)イイ!!
すでに11作目となった本作品。本作も安定して主人公の女子高生、優莉結衣が悪党どもを相手に暴れまわる。今回の敵は日本政府を操る黒幕だ!
シリーズ初期の作品では、チンピラや下っ端ヤクザと戦っていたが、そのうち広域犯罪組織や傭兵、軍隊など地球上のあらゆる暴力組織と戦ってきた女子高生。
冷静に考えるとあり得ないが、一人の女子高生が悪党どもを一掃していく様は痛快だ。女子高生キャラのバイオハザード、もしくはメタルギアソリッド、はたまたグランドセフトオートといえるだろう。どれもテレビゲームだがプレイしたことはない。
しかしゲーム内容は知っている!本作を読んでいると上記のゲームを上級者がプレイしている画面を視聴している気分になる。
現在日本の社会状況をうまくとらえており、政府やマスコミ業界などに向けた皮肉も織り込まれていて、なかなか的を射ていると思う。すべてのマスコミが大災害を報道している状況を表現するために、テレ東がアニメをやめてニュースを流していることを描写していたのは、笑ってしまった。
国内の社会状況や、日本を取り巻く国際情勢も、ニュースなどで公開されている現状を正確に表現している。日本政府がありえない経緯で危機的な状況に陥るのだが、もしかしたらあり得るかもしれないと思わせるほどの論理的説得力がある。作者の表現力のなせる業だ。尊敬させられる。
本作ではついに主人公の女子高生の母親の素性が明かされる。現在出ている黒幕はおそらくラスボスだろう。この後が盛り上がることこの上ない。
女子高生が一人で軍隊と戦い勝ち続けるというファンタジーに対して、巧みに説得力をもたせている本作品。読後感のストレスはなく、そしてゲーム上級者の実況プレイのように痛快だ。
続きが気になるシリーズである。