スライサー殺人事件 | 今日もますますふうたんぬるか

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ふうたんぬるか人のふうたんぬるか日常です。
基本的に色恋沙汰しか頭にないのに、なぜかそれすらおぼつかない。
三十路に入りおぼつかなさにも本腰が入ってきました。
てゆうか人生おぼつかない。
作家目指すとかうわごと言ってますよ。そしたらなんか結婚した。なぜだ。



朝は気が動転していたんだなあ…。
まあ、動転してない日のほうがないわけではあるが…。

夕方になって、ようやく傷が痛みはじめて、なんかその痛みが、あ、ようやく動転とれた、というかんじである。

なんか午前中、ずっと痛くなくて、とにかく、隠さなきゃ!隠さなきゃ!と思っていて、

で、ガーゼでぐるぐる巻きにしても血がどっぱどっぱでるからビニール手袋して、輪ゴムで手首とめて、血まみれのサラダをとにかくすすいで、卵焼きと味噌汁作って、旦那に食わせた。

気の毒な旦那だ…おれなら食いたくないな、血染めサラダ。

で、モヤシとシメジをだし汁で茹でて、なんかよくわかんないけど、だし汁を捨てて、胡麻油で炒めたなんかよくわかんない料理を血染めサラダに乗せたのと卵焼きの弁当こさえて旦那に渡した。

ビニール手袋のなかで血がたぷたぷいってて、体が異常に冷えてきたから、旦那にガーゼ巻き直してもらって、味噌汁飲もうとしたけど食欲がなくて不思議だった。

で旦那送り出して姑ちゃんちにデイケアのお見送りに行こうとしたら、旦那が午前休とろうとしてたから、怪我なんかで病院などいかぬ!とだだこねたが説得されて不承不承納得してみた。

で、血まみれガーゼにビニール手袋のまま二人で姑ちゃんちに言ったら

「どうしたの手!!」

ってあっさりばれた。

「いやあ、料理してたら怪我しちゃって、ははは」
「まー!!ばかだね、あたしだってそんなばかなことしないよ!」

って言うのを

骨折した翌日に自転車乗り回して骨折したとめちゃんに言われたくないやい!

っておもた。

で、お見送りのち病院へ。

女医さんに

「スライサーでやっちゃう人多いのよねー、上はもってきた?」

と言われたので

「上?スライサーですか?」

って言ったら

「違う違う、剥がれちゃった肉」

と言われて、あ、もってくるものなのかー、しらなんだー、とか思ってたら、なんか旦那が取りに帰ろうとしたから、

「多分サラダの中」

って弁当箱を指差した私を見た旦那が、なんか小鳥さんみたいにキュートな顔をしていたのが印象深い。

サラダに混じってるならしょうがないわね、って女医さんがじょきじょきガーゼをハサミで切って、看護婦さんになんかの液体をかけるように指示した。

なんかの液体は

ものっすごいしみる、地獄のような液体で

びゃーっ、って叫んでのたうったら、女医さんが、

「え?そんなに痛かった?」

と小鳥さんみたいにキュートな顔をした。

「それなら一気にいきましょ」

って言って、女医さんがずぼっとガーゼ抜いて、看護婦さんが、女医さんが指示した部分に地獄の液体をぶちまけた。

ウンガラギャース!!

と叫ぶ私の傷口を見て、女医さんと看護婦さんが顔を見合せころころ笑いながら、

「あ、傷口こっちだったんだ(笑)」
「あー、そりゃ痛いわ(笑)」

と微笑みあった。

なんかもう、私も一緒になってころころ笑った。

みんなでしばらくころころ笑った。

旦那だけ泣き出しそうなキュートな顔をしていた。

「残念ですが、元のようにきれいに治るわけにはいきません」
「いいっすいいっす、いやもう自業自得っす」
「骨まではいってません」
「ほんとですか?ラッキー!」
「太い神経は無事ですが、神経は少し傷ついています」
「やーもー、しょーがないですよねー」

動転のため、なんかやたら朗らかな私をやべえと思ったのか、女医たん、途中からおれ無視して旦那にばっか喋ってて、おれはなにがなにやら頭がぼんぼんいうなー、って思ってた。

診察の終わりに、「頭がぼーっとして悪寒がするのは失血のせいですかね?」って聞いたら
「風邪じゃない?インフル流行ってるし」
と、にべもない返事だったので、内科の予約をとって家に帰った。

家に帰ったら震えとまらず、ぜえぜえ布団にくるまってると、台所の惨状を片付けて、午後の仕事に出ていこうとしたのでお見送りした。

「お弁当作った意味なかったね」
「いいんです、職場にお弁当食べに行ってきます」
「サラダに肉片入ってたら避けて食べてね、人間って人肉消化できないらしいから」
「ほう、そうなんですか」
「うん、だから大量に精子飲んだ人なんかは翌日真っ白なうんこでるんだって、消化しないから」
「…行ってきます」

なんか震えと頭痛がすごいので、昼過ぎの内科の時間まで布団にもぐっていんたーねっつして遊んだ午前。

なんか、すべてにおいて、上の空マックスだった。
遠い昔のようである。