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2005/10/11

パタゴニア

フィッツロイを目指して


宿を出て10分くらいで登山口に着いた。

「歩き方」によると、トレッキング道は整備されていて上り下りはあるが展望もよく歩きやすい道って書いてある。

後半1時間くらい急な登りがあるそうだ。

 

 

 

 

登り始めると結構キツイ。しかも寒い~。
いろいろ話しながら歩いて、やっぱり「いくつ?」って聞かれたよ。

「言わないよ~!キミはいくつ?」って言ったら

「僕も言わないよ~。アイ・アム・ア・ヤングボーイだよ。」って、中1の英語の教科書の2ページ目くらいに書いてあるようなことを言った。

 

 

ていうか、ルーカス。それ・・・

 


トレッキングの格好じゃないから!

 

街コート。普通の靴

 

 

雪がまだまだ積もってて、その中を進む。

いくつかサインを見逃したかも。

お互い、「ロード・オブ・ザ・リングに出てくるみたいだね~。」って10回は言った。

 

 

人と馬が別の道???

 

 

ルーカスは、私が丸太橋を渡ったり、川を飛び越えたときなど必ず手をとってくれる。
早く行き過ぎたら先で待っててくれる。
よけた枝が私に当たらないよう手で持っててくれる。
先に雪の道を歩いて、危険なところを教えてくれる。
何度も振り返って私を確認してくれる。

 

 

 


これだ…この安心感のなんと心地いいことか。



安心感、、、今の(今までの?)私に一番なくて一番欲しいもの。

頼れる存在のあることのなんて安心なことか。

ファザコンだった私が幼くして父を亡くしてからというもの、頼れるものってなくて、いつでも1人で頑張ってきたけど、どうやったらこういう安心感て手に入るのだろう。教えてほしい。

 


「トレッキングとか今まで1人で行ってたけど、誰かと一緒っていいね。」って言ったら、「そりゃそうだよ!人はコミュニケーションで生きてる生き物だからさ。」とルーカスは言う。

 


人という字は、人と人が支えあって成り立っているんです、と昔、確かに金八先生に教えられた気がするよ。

私に足りないのはほんとそういうとこなんだろうなあ…。

 

「え、人とは~」

 

 

と、しみじみするのもつかの間、だんだんと風景が怪しくなってくる。
「歩き方」に書いてあった、「上り下りはあるが…」って

 

 

ほぼ、山を越えるんじゃん!

 

 

むっちゃシンドイよ!!!!!

 

 

 

 

「1人ずつ渡って下さい。」って注意書きのある丸太の橋や、雪解け水の川や、獣道みたいな上りや、すべり台みたいな下りや…SASUKEの出場者が喜ぶような道ばっかり。

 

 

 

 

最後の1時間の登りは、まじで「死ぬかと思った」。

完全に雪の積もった岩肌を、岩などに足をかけながら登っていくのだ。

 

 

 

 

 


これ・・・・・・・・・・・・・・・・・

 


トレッキングじゃないよ!登山だよ!

 
 
 
うう、心臓が痛い。はあはあ。
でも行くしかないので必死で登り続ける。
滑り落ちたら怖いので、先に行ってるルーカスの足跡を踏みしめて登る。

永い眠りからたたき起こされた私のアキレス腱は急な過剰労働にほとんどキレそう。
ずっと心の中で「なんで?私何してんの?何のために?ホワイ?ポルケ?フォーワット?」って自問自答してたよ…。

 

 

左手に広がる風景。角度がすごい、、、

 


遠くからルーカスが大声で「ム~ギ~!大丈夫~!?」って叫ぶ。
ああっ!叫ばないで!

雪崩が起きたらど~すんの!

 

 

 

 

山頂が近くなると目の前にフィッツロイがそびえたつのが見えてくる。

 

 

 

 

同時に、山間を吹き抜ける吹雪がブオオオッって目の前を覆う。

 

 

 

すっご~い。

 

 

…ていうか…

 


こんなところに1人で来ようとしていたのか、私は!!



無理無理無理無理!
なんて恐ろしいことだ。まちがいなく遭難確定だ。

 
 
吹雪の向こうに見えるのが、スポーツブランド「パタゴニア」のシンボルのモデルになったフィッツロイ山。
ていうか、山頂切れてるじゃんパンチ!、ルーカス!
 
 

目の前のフィッツロイは吹雪でよく見えなかったが、威風堂々ってかんじで怖いくらいだった。

吹雪が下をさえぎり、ここから先に行こうとする登山家の気持ちが全然わからない!
あまりに風がすごいので、とっとと退散する。

下りは下りで、つま先に重心がかかって超痛いし、風すごいし、すべり落ちそうでほんと怖かった~。

 

 

ほんとならこんな感じで見えるはずだったフィッツロイ(Wikipediaより)

 


帰り道にある途中にある休憩所の小屋でお昼を食べる。
私が作ったサンドイッチを「わ~、ちゃんとソーセージ焼いてる~!」「でしょ~」ってカンジで和気あいあいと楽しく食べてたときだ。

 


もう一組いた欧米人老夫婦がずっと興味しんしんで私たちを見ていて、たまりかねたように話しかけてきた。

「どこから来たのか。」「どこへ行ってきたのか。」「湖はどうだったか。」など…。

 


それはいいのだが、・・・こいつら

 

ルーカスにだけしか話しかけないのである!

 

 

私たちが英語でしゃべっているのは、さっきから会話を聞いてて分かっているはずなのに、まるで私などいないかのように、ルーカスにのみ!話しかけ続ける。
ムリして私を視界に入れないようにしているかのように。

 

 

ルーカスも途中でそれに気がつき、「でも彼女は8ヶ月南米なんですよ。」とかいろいろ私にも話を振ってくれるのだが、このクソ夫婦はまったくそれを無視。そうとう気分が悪い。
オージーはフレンドリーなはずじゃないのか???

 


私たちは時間もないし、立ち去ることにした。

最後だけは老夫婦は私を見て「バーイ。」って言ったので、私は「バーイ。アンティパティカ!」って手をふった。
ルーカスはそれを聞いたとたん、「ぷっ!」と吹き出し、小屋からだいぶ離れてから「やるねえ~!」って笑っていた。

 


アンティパティカとはスペイン語で「感じ悪い」の意味なのだ。

 


あの夫婦がまったくスペイン語が出来ないっていうのを話の中で聞いていたからだ。ルーカスは、スペイン語も少し分かるって。

しかし、ほんとこれだけでは収まらないよ!

 


そんなに日本が嫌いなら、テメーが持ってるそのソニーのビデオカメラをその川に捨てちまえ!

 


くそー、思い出すだけで、コブシに力が入るパンチ!

 

 

 

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