極悪深重の衆生は
他の方便さらになし
ひとへに弥陀を称してぞ
浄土にうまるとのべたまふ
『高僧和讃』
極悪深重の人間は、
他の如何なる善、仏・菩薩の方便などによろうとも
迷いを離れて浄土に参る方法は一つもない。
ただ信楽獲得して他力の念仏を称える身になりてこそ、
生死を離れて極楽浄土に生まれることができるのだ
と仰せられている。
宗祖が仰る「他の方便さらになし」とは、
善導大師の「出離の縁有ること無し」と同じで、
実機の信知、「機の深信」を言われたものである。
ところが飛●氏は、あまりにも大胆な珍説を述べる。
> 機の深信は「定散の諸機」も「極重の悪人」も同じです。
> しかし、「極重の悪人」には他の方便がありませんが、
> 「定散の諸機」には他の方便がありますので、
> 「定散の諸機」は「極重の悪人」よりも報土往生が遠回りになります。
あっぱれここまで断言できる飛●氏は、
流石「真宗界では誰も知りません」
と断言できただけのことはある。
惨い自惚れ方である。
「他の方便がある機の深信」
この飛●氏の説は、真宗史上初の珍説ではなかろうか。
他力の信楽を自力で計らう、これが成りの果てであろう。
飛●氏には「他の方便が無い」の意味が全く判っていない。
信仰だけでなく、教学レベルも赤子のようである。
「他の方便がない」そのものが「機の深信」であることを知らない。
「他の方便がある」ならば、
助かる縁手がかりがあるのだから
「機の深信」の信知は有ること無しである。
「他の方便さらになし」には、
「余の善、余の仏・菩薩の方便にては生死出でがたしとなり」
と【左訓】されている。
「他の方便さらになし」は「機の深信」なのである。
「機の深信」は、古今東西万人に共通するものであるから、
この御和讃の内容は、
弥陀に救われれば誰もが信知する心の世界であり、
すなわち不可思議の信楽、他力の信心、不可思議の徳海である。
飛●氏が善知識扱いなさる用管●天記でさえ
>「無他方便」という言葉で、
> 本願の念仏以外にさとりを開く手がかりのない者
> ということを表しているから、
> 善導大師のいわゆる機の深信を表す言葉になっていた。
「無他方便」（他の方便無し）は「機の深信」
と理解しているように思われる。
ここでも、飛●氏が「他力の信心」という根本の理解が
間違っていることが明らかである。
飛●氏は
「定散諸機」は定散二善のできる人
「極重の悪人」は定散二善ができない人
と理解した上で、
「定散の諸機」は「極重の悪人」よりも
報土往生が遠回りになります。
と断言する。
これまた滅茶苦茶。
人に元来、この人よりもこの人が遅くなる、などと、
弥陀の救いの後先が決まっている
という邪説である。
弥陀は、善ができない人を先に助け、
善が出来る人は後回しになさる
という大謗法罪だ。
善を嫌い、悪ばかり造っている人よりも、
悪を慎み、善に励む人の方が遠回りだというのなら、
自力も宿善も他力の信心も、何もかも判っていない飛●氏だ。
そのような意味の御教示はどこにも無い。
しかも報土往生に「遠回り」は無い。
根本が間違えていれば、
教義理解も、言葉づかいも、かくも滅茶苦茶になるものである。
飛●氏の批判文章を見れば一目瞭然だが、
逆さまの飛●氏から見れば、親鸞会や私の主張は、
さぞや真っ逆さまに見えるはずである。
自力の計らいで、極重の我と知らず、
他の方便があるなどと自惚れている者は助からない。
他力の信心を獲得すれば、
”わたしは他力の称名のほかに手立てのない極重の悪人”
と知らされるままが、極楽往生間違いなし。
考えても考えてもわからぬ。
なんという不思議。
この相続する不可思議の信楽。
どこどこまでも深い御慈悲の阿弥陀様・・・
南無阿弥陀仏
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