ホーリーは僕が塾を始めて間もないころに来た、ウチの長女に当たる。
(舌を出して僕をバカにするホーリー)
彼女は塾の生徒の自転車のかごに、目も開いていない赤ん坊の頃に捨てられていた。
そのときの彼女の腕はかさぶただらけ……。これは親と早くに別れ、空腹の為、自分の腕を吸っていたことを意味する。
僕は彼女を死なすわけにはいかなかった。今回のアスラの輪廻転生と同じ理由があった。
(恐竜)
全て書くと長くなりすぎるので、前回に紹介したが、詳しくはここで(不思議な話)神さまに出会った話 | 先生の本当にあった怖い話 (ameblo.jp)
一度、肝臓と腎臓の数値が悪くなって不安に思ったがいつの間にか治っていた。獣医は
「猫というのは稀に不思議なことが起こる動物なんですよ……」
と言っていたが、
(神さまにあったことがあるホーリーなら、不思議なことが起きるかもな……)
と、妙に納得できた。
(笑うホーリー)
このホーリーは、いつも僕が夕食を食べる時など、机の上にのり、僕のコップの水を飲み、そして目の前に横たわり、わざとかと思うほど、邪魔をしてくる。
たぶん、彼女は自分を人だと思い、一緒に卓を囲んでいるつもりなのだろう。
(突如、部屋に現れたこの謎の記号は一体何を意味しているのだろうか?)
彼女はもう高齢だが、今も元気で僕にずっと暖かさと幸せを与え続けてくれている、そんな神さまに頼んで帰って来てくれた、僕の愛するホーリーの話。