最初このブログを書き始めた時に、どれだけ忙しくとも、1日に1回、塾がある日(土日、および月で5回目の曜日以外)はブログをアップしようと目標を立てました。そしてその目標は達成できました。読んで頂いた皆様、つまらない話もあったかも知れませんが、ご愛読、感謝致します。来年も頑張りますが、流石に一日一話はきつくなってきたので、アップ期間が少しあくかも知れません。またネタがあるにはありますが、話にするには少し弱いもの等は少し盛って話を書くかも知れません。どうかご容赦を…。さて今年最後のお話は、もちろんノンフィクションです。
ある生徒が授業を終わって塾を出た直後に、すぐに帰って来て言った。
「先生、自転車のかごに猫がいる…。」
見てみると、まだ生まれて一ヶ月程の可愛い子猫が、コンビニの袋に入れられたまま捨てられていた。
僕はどうしてもそれを放ってはおけなくて、その猫を連れ帰ることにした。
だが既に彼は、ひどく衰弱しており、ガリガリに痩せてノミまみれ…、それでも僕は必死にミルクを飲ませ、布団中ノミまみれになりながらも毎晩一緒に眠り、ホーリーという名前にして可愛がっていた。
(死んでしまった可哀想なホーリー)
夏期講習前の忙しい時期だったが、彼はとても癒し系の猫だったので、僕は自分の体の疲れよりも、一緒に過ごせる喜びの方が強かった。
しかし、彼が僕の家に来てから五日目の夜、僕が塾から帰った時には既に危篤で、彼は僕の手の中で逝ってしまった。
…最後の挨拶に待っていてくれたのかな…
僕は悲しくて、涙が止まらなかった。翌日に目が腫れる程に泣いた。
そしてそれから約二週間後…、やっと気持ちも落ち着き始めた頃に、ある生徒が
「先生、俺の自転車にハムスターがいる…。」
と妙な事を言ってきた。見てみると、再びコンビニの袋に入った子猫が自転車のかごにいた。今回の子は生まれてまだ目も開いてないほどの子猫だった…。
(ふて寝するホーリー)
よく見ると、前のホーリーと色は違えど柄は一緒だった…。
それを見た僕は迷うことなくすぐにその子を連れて帰った。
ここから僕の子育てが始まった。もう絶対に死なさない、と誓った僕は、それから毎日一日約2時間睡眠で、毎朝獣医に、そして塾にも連れて行き、猫のダンボールを左に、哺乳瓶を右において授業をしていた…。
またその頃は夏期講習の真っ最中…。
塾は忙しい時期だったが、命の方が大事、塾は最悪また創ればいいと考え、相変わらず猫を隣に授業をしていた。
結果論だが、それは子供たちに、勉強よりも、もっと大切な事を教える事に繋がったのだろう…。
その頃からだ…。ヤンキー矯正
塾
と言われていた僕の塾にいたあのヤンキー達が、僕の言う事を聞いてくれるようになり始めたのは…。
それから約一ヶ月、やっとその子猫が家に置いておける程度に育ち、安心した途端に僕は過労で倒れた…。
運良く盆休みが絡んでたので仕事には支障は無かったのだが…。
ただ、グングン育つ子猫を見ると、どうしても前のホーリーの事が頭に浮かんだ…。
…あの時、もっと…、今程に自分が頑張っていれば…、あの子も助かってたんじゃないか…?
と、後悔と自責の念がいたたまれず、涙の止まらない夜が多々あった…。
そんなある夜の事。
何故か不意に目が覚めた。夜なので、部屋の中は真っ暗で何も見えない。
だが、何かがおかしかった。ベッドに入ったまま周りを見回すと、左前方の上方の空間に、四角い長方形の、真っ赤な光が溢れているドアのような物がある事に気が付いた。
そして声が聞こえた…。
「ホーリーはたったの5日間だが、暖かい寝床、食事、何よりお前の愛に心から感謝している。
しかし自分の所為で苦しむお前を見て、私と共にあるほうが幸福であるにも関わらず、再び現世に…、お前の元に戻ると言った。
だから私はお前にそれを知らせる為にも、全て同じ状況を創り、そして彼の柄も同じにして、もう一度、お前たちを出会わせたのに、お前はまだ泣くのか!」
と言われて目が覚めた…。
(恐竜)
そしてはれてその子猫の名前は、前に来た子と同じ、『ホーリー』と決まった。
今も朝、僕が起きたらいつも一緒に寝ている。
(意地でも起きないホーリー)
神がいるのかどうかは知らない。
僕は相変わらず無宗教だ。大学在学中には宗教信望者批判の論文も書いた。
僕が見たあの夢は、自分を許せない僕が僕を許すために見たただの夢かも知れない。
しかし僕がどんな失礼な事を思っていようが、そんな事とは関係なく、現れ、僕を救ってくれた、信じる者以外も救ってくれる、そんな…優しく偉大な神様に出会った、神様と僕とホーリーの話。
(幸福とはなにかを教えてくれる皆)
次は1月4日ぐらいにアップする予定です…。1月1日の午前0:00分、つまり大晦日12月31日の深夜、トイレで『がんばり入道、ホトトギス』と唱えると、その一年、怖いものを見ないで済むようですよ。では皆さま、良いお年を…。
(出番が無いと文句を言うセフィー)