先日、あらためて麻布台ヒルズに行ってきました。
理由は、麻布台ヒルズについてあれこれ書かれた記事を見ているうちに、「これってなんか違うんじゃない?」と思うことが多かったから。
テナントがはいっていないだの、客がいなくてガラガラだの、都心の商業施設はだめだの。
そんな論調がとても多い。
確かにそんな面は商業施設だけ見たらあるのかもしれませんが、それは全体のごく一部の話。
私の麻布台ヒルズの初見は、迷路のようにわかりにくい施設というものでした。
それは二回目に行ってもあまり変わりませんでしたが、しかしあることに気づきました。
いや待てよ。
私はあくまでもここを訪れる外部の人間としてこの施設を見ているからそうだけど、ここに住んでいる人や近所の人にとってみたら、別にわかりにくくないのでは?と思ったのです。
予想以上に広い土地を使って麻布台ヒルズは作られています。
六本木ヒルズのような施設をイメージして行くと、建物が何棟にもわかれていて、どこに何があるのかわからないのでそう思いますが、それも1週間くらい利用したらだいたいどこに何があるかは分かります。
そう考えて中を歩くと、ある一つのコンセプトが見えてきました。
それは、「ここに住む人、集う人がゆったりできる場所、広場のようなところ」なのです。
商業施設のようにそこで買い物をしてもらうために、できるだけわかりやすい導線をひいて、わかりやすいレイアウトで、大衆に買い物をしてもらうという場所ではないのです。
買い物はあくまでも「ついで」。
ここはこの街に集まる人が、街の中をなんとなくぶらぶらできる場所。
ぶらぶらしなくてもそこにじっとしているだけで心落ち着く場所です。
実際に麻布台ヒルズの開発コンセプトには次のように書かれています。
(以下、森ビルHPより)
「麻布台ヒルズ」の開発コンセプトは「Modern Urban Village」。「緑に包まれ、人と人をつなぐ『広場』のような街」です。そして、「Modern Urban Village」を支えるふたつの柱は「Green」と「Wellness」。圧倒的な緑に囲まれ、自然と調和した環境の中で多様な人々が集い、より人間らしく生きられる新たなコミュニティの形成を目指します。
(以上ここまで一部抜粋)
麻布台ヒルズのタワープラザという商業施設的な、テナントが比較的多くはいってる施設に行くと、それほど広い建物ではないところにぎゅっとつまってテナントが構成されています。
買い回りしやすい大きさです。
ここかに下に降りていくと外と通じる場所にでられます。そこを抜けると大きな広場のような場所にでます。
するとそこにはエルメスの路面店が広場の中に一体化して建っています。
広場でゆったりしている人たちがいますが、そこまで人であふれていません。
適度な距離感でゆっくりしていられます。
ここを抜けて神谷町のほうに歩いていくとその道沿いにボッテガなどのラグジュアリーブランドの路面店がしゃれたデザインの建物の中に入っています。
歩いているだけで楽しい街。
ウィンドーショッピングだけでもよい街。
なんとなくここに来てゆったりできる街。
それが麻布台ヒルズです。
まだまだこれからここに集う人たちがこの街の雰囲気を作っていくでしょうから街は時間をかけてゆっくりと作られていくはずです。
この街がいいか悪いかという話は、ここに住む人たちがすべきものであって、外部の人がとやかく言うようなものでありません。
麻布台ヒルズという特殊な立地にできた、想像以上に大きな街という特性をよく考えていけるいける!!