優秀な社員を獲得するために、企業が学生の奨学金を肩代わりしてくれるという制度を導入するということが増えているらしい。
すでに2000社を突破して急増しているそうだ。
前年同月比で2倍!!ということなので、まさにこの1年間で急増したことになります。
これは「企業の奨学金返還支援制度」という日本学生支援機構が実施している代理返還制度です。
企業が直接返還できるようにしたもので、法人税の控除適用を受けられる場合もある制度に変わったことが導入企業急増につながっているようです。
それだけ優秀な人材の確保に各企業が熱心になっていることの表れでもあります。
昨日、ここで書いたスターバックスの米国本社に訪問した際に、同社の人材関係を統括する役員の方に話を聞いたことがあります。
とても印象に残っているのがまさにこの奨学金返還を肩代わりする制度を導入しているということでした。
米国でも学生で奨学金をもらって学んでいる人が多いのだとか。
スターバックスに入社を決めてくれたら、その奨学金の返還を肩代わりして負担を減らすということが学生にとても喜ばれているし、会社としてもそのような貢献をしていきたいと話されていました。
私も学生時代、奨学金をもらっていました。
利子がつかない奨学金でしたが、返済の必要がある奨学金でした。
毎月、4万5千円くらいの奨学金があったことで、ずいぶん助けられました。
ただ、卒業と同時にその金額の返還が始まります。
毎月2万円くらいを返還していたと思います。
全額返還するのに10数年かかりました。
最初の頃は給料が驚くほど安かった(笑)ため、2万円の返還が大変でした。
できればそれを返還せずにとっておきたいと思ったほど。
ただこのおカネを返さないと、次の奨学生にお金がまわらない制度ということで、私のように奨学金で助かった学生のためにも、なんとか返還しなければと考えて毎月やりくりしていました。
まずは返還を最初にしていたことを今も覚えています。
その代わり、カード代金が払えす、延滞金を払ったりしていましたが。
当時は日本の会社で返還を肩代わりしてくれるというような制度を取り入れていた企業はなかったように思います。
こんな制度があれば、それを導入している企業とそうでない企業から内定をもらった場合、返還制度のある企業に入りたくなる気持ちもわかります。
特に若手で最初の5年くらいは清貧です。
今は昔に比べて初任給が高い時代ですから私の頃とは感覚が違うでしょうが、支出も多い時代。
生活費も高くなっています。
奨学金の返還を肩代わりしてくれることでどれだけ安心して働くことができるか。
よく心理的安全性という話がでますが、金銭的にサポートされることは一番の安心材料です。
見てみると、物流会社や警備会社、プラント設備会社など、人手が大量に必要な会社が導入しているようです。
企業により差がありますが、一人当たり年間100万円~180万円くらいまで。
最長5年間から10年間まで幅は広いですが、それでも数年間にわたって、一番、金銭的に苦しい20代の途中までサポートしてくれるというのはありがたい制度です。
現在、大学学部生の2人に1人が奨学金を受け取っていると言います。
こうした肩代わり制度によって少しでも負担が減り、仕事に集中できるようになっていけば、これはこれで生産性を高めることにつながると感じます。
今日も学生にとって必要な制度を考えていけるいける!!