そんな制度をつくってノウハウの共有をはかっているのだなあと感心したのが、スターバックスの日本法人が独自で取り組んでいるGAHAKU(画伯)という制度です。

 

現在、1917店舗あるスターバックスの店頭には、チョークアートが飾られています。

黒板に手書きで書かれている商品などのイラストです。

チョークでさまざまな絵や文字を描いている黒板に目を奪われたこともあるでしょう。

そのチョークアートで優れたデザインをおこしている人を選び、そのノウハウを共有する取り組みがGAHAKUなのだそうです。

 

同社のHPには次のように紹介されていました。

 

(以下、スターバックスジャパンHP ストーリーズより一部抜粋)

 

GAHAKUの制度は、パートナーの情熱や才能を発掘し、活躍できる場を提供したいという想いから2013年にスタートした日本独自の取り組みです。毎年、全国の店舗から志望者を募り、課題作品やチョークアートにかける熱意などを審査し、各エリアから1名ずつ選抜。任期は1年です。今年度(2021年)は258名が応募し、それぞれのエリアを代表する16名がGAHAKUに選ばれました。

GAHAKUによるオファリングボード(商品をおすすめするチョークボード)の見本を社内で公開し、そのテクニックを共有します。彼らは、全国のパートナーをアートの側面からインスパイアする存在。ただ単に絵が上手いだけではなく、「お客様にとって分かりやすいか」「パートナーが真似しやすいか」「スターバックスブランドらしく表現できているか」などが審査のポイントになります。

(以上転載ここまで)

 

(写真 スターバックスコーヒージャパンHPより)

 

私もこのチョークボードはよく見ます。

これほどの世界的なチェーンなのだからすべてをデジタル化させることもできるはずなのに、あえて手書きの文化を残しているところに意味があると感じていたからです。

 

しかもこの絵は絵を本格的に習っている美術系の学生ばかりではなく、まったく絵の知識も経験もないような普通の方も描いているのだそうです。

誰にでもGAHAKUに選ばれるチャンスがある。

 

そしてこの絵の描き方のテクニックを全員で共有する。

 

素晴らしい取り組みだと思います。

 

どうしたらもっと売り上げにつながる絵になるのか。

その描き方を全国の店舗に共有する。

そして短時間で魅力のある絵を描く方法を全国に広げていく。

全国のスタッフはそれを参考にさらに良い物を作り、それが売り上げにつながるように考えていく。

その背骨にあるのは、「スターバックスブランドらしさ」。

 

このような形でブランドを表現していく方法があるのだなあと思いました。

 

自社の理念やブランドを意識させ、それを仕事で表現する取り組み。

ブランドはこうして出来上がっていくものだと思います。

 

今日も目に見える小さな取り組みを続けていけるいける!!