先日、ある会社の方からいただきました。
ちょっとしたことがあって、そのお詫びにいただきました。
「切腹最中」。
何をいただいたかは知らず、なにか重量感のあるお菓子だなとは思いました。
家で開けてみるとそこには切腹最中が。
話には聞いたことがありました。
仕事でお客様に何か迷惑をかけた時の一品として持っていくといい。
笑って許してくれるという話を聞きました。
確かに開けてみた時にちょっとにこっとしてしまう商品です。
いや、そこまで、切腹してもらうようなことをされたわけではないのですが、そんな気持ちだというのを私も受け止めて切腹最中をいただきました。
おいしい。
あんこがあまり甘くなくて、中にお餅がはいっている。
最中の皮もさっぱりしていて、口の中がもしゃもしゃしない。
とっても後味がいい最中です。
そんなところも切腹最中にふさわしい感じに仕立てているのかもしれません。
皮の間からあんこがはみだすような感じで入っています。
新正堂(しんしょうどう)という新橋にある和菓子店。
大正の創業ですから和菓子屋としてはそんなに古い店ではありません。
同店のHPにはこう書かれていました。
(以下、新正堂HPより)
当店が「忠臣蔵」の起こりとなった浅野内匠頭がお預けになり切腹された田村屋敷跡にあり「忠臣蔵」にまつわる数々の語りぐさがこの菓子を通じて、皆様の口の端にのぼればという思いを込めた商品です。
たっぷりあんは、結晶の大きな純度の高い砂糖を使用し、求肥(ギュウヒ)入りの、甘さをおさえたさっぱりした味です。
(以上ここまで抜粋)
なるほど。忠臣蔵にまつわる屋敷跡にある店だからという歴史があるのですね。
店の近くには浅野内匠頭の石碑跡もありました。
このお菓子。一日7000個も売れるのだそうです。
いろんな人が何か失敗しているということでしょうか??
それだけでなくとても話題になる商品だから売れているのでしょう。
単に切腹に見立てて作ったのではなく、そこに由来している食べ物なのでした。
実はこのような商品、単におもしろいから、目立つからという理由でつけられるようなケースもあります。
しかしそこには何のつながりもなく、由来らしきものもないというのでは、その名前だけが浮いてしまい、長く続く商品にはなりません。
名は体を表すので、その名前の通りの商品になっているのがよく、さらにその商品の由来がストーリーとしてあることが望ましい形です。
その点ね切腹最中は由来となる歴史があり、形もこだわっています。
まさにぴったりのネーミング。
しかも美味だから売れるのだろうと思いました。
いい商品ですね。
商品にはストーリーをのせていけるいける!!