「ミュンヘンは人口150万人の村」という表現をされることもあるのだそうです。

それほど街はゆとりを感じられる作りであり、都会の様子がありながら、あまり気取ってる感じがしない街です。

 

しかしこの街にある建物はいずれもが規模も大きく、主張しているのですが、そのデザインは驚くほどシンプルで、着飾っていません。

外観が「見るからに荘厳」というような建物があまりありません。

歴史的な市庁舎などの建物は見た目は派手なように見えますが、とてもシンプルな造り。

バロック様式の建築で壮大なスケールのニンフェンブルク城も同様です。

市内から15分の至近距離にあるのですが、そんなに中心部にあると思えないような広い庭園と当時を偲ぶ巨大なお城です。

 

これは1664年にフェルディナント・マリア候が妃アーデルハイトのために作った別荘(!)が歴史の始まりだそうです。

ニンフェ ブルク=「妖精の城」という言葉通りのお城でした。

 

シンプルですが、その佇まいは人を魅了します。

ドイツは州によってそのカルチャーも美的感覚も違うと思いますが、このバイエルン州の中心地であるミュンヘンには、シンプル、余分なものがないというイメージが強く残りました。

 

 

それはこのような他の場所にあるさまざまな建物を見ても感じます。

時折、世界的に著名なアーティスト作品がでてきたりするものもありますが、基本的建物の外観はシンプル。余分なものがない。

中は機能的。

 

ナポレオンが造ったと言われるこの凱旋門は、のちにヒトラーが戦勝で成果をあげるたびにパレードを行う起点となった場所のようですが、これもとてもシンプルな造りです。

 

そこには看板やネオン含めて、色がほぼありません。

色は極力抑えていて、できるだけ自然に溶け込むような建物ばかりです。

自然の中に人工物が間借りしているような印象。

これがもっとも自然な姿なのかもしれません。

 

ミュンヘンという街はドイツの中でも南ドイツの中心。

どちらかと言うと北のベルリンなどとは違う文化圏で、オーストリアとの地理的な近さもあって、こちらを含めての文化圏と考えると、都会ではなく地方、都心ではなく田舎的な要素をもった街なのです。

 

だから人と人とのつながりを大事にし、その信頼感をもって生活をしていくことこそが重要であり、建物によって威圧するというよりは、ビールを片手に話し、踊る。

サッカーを見てみなで喜び、悲しむ。

週末は家族と一緒に食事をし、一番近いつながりを大切にする。

 

そんな風土が出来上がっているようにも感じます。

 

私はこのミュンヘンの街並みはとても好きです。

美的な意味で、無駄な物をそぎ落としている感じがいい。

 

昨日はさまざまな建物を視察しましたが、私にとってはバイエルン州の思想を感じる一日となりました。

今日もミュンヘンに学んでいけるいける!!