米国の高級百貨店市場で動きがありました。
ロイターが報じたところによると、米国百貨店が同じ百貨店を買収することがわかったということでした。
(写真 ニューヨークのサックス本店)
(以下、ロイター ニュースより)
米高級百貨店サックス・フィフス・アベニューの親会社HBCは4日、同業ニーマン・マーカスを26億5000万ドルで買収することで合意したと発表した。
合併にあたり、サックス・フィフス・アベニュー、ニーマン・マーカスなどを統合した新会社サックス・グローバルを設立する。
アマゾン・ドット・コム(AMZN.O), opens new tabやソフトウエア大手のセールスフォース(CRM.N), opens new tabがサックス・グローバルに出資し、物流や人工知能(AI)などのノウハウを提供する。
(以上ここまで抜粋)
サックス・フィフス・アベニューはニューヨークにある超高級百貨店の一つ。
私は初めてニューヨークに行った時に初めて入った百貨店です。
近年こそ、以前のような輝きはなく、昨年行った際もガランとしていて驚きましたが、今もサックスは北米に39店舗を展開し、オフプライスの店 オフ5thも展開するなど、ある程度の力はあります。
同社の親会社であるHBCは、ほかにハドソンズ・ベイも持っています。
今回新たに作られる会社は、サックス・グローバルという会社。
そこには少数の株主とは言いますが、アマゾンやセールスフォースなどが出資します。
つまり、これらのIT企業のノウハウを取り入れて、
サックス・フィフス・アベニュー 39店舗
オフ5th
ニーマンマーカス 36店舗
バーグドルフグットマン 2店舗
ハドソンズのもつ商業不動産
をすべてオンラインでつないで、ラグジュアリーブランドの洋服から宝飾にいたるまですべてを一括してワンストップで提供する、ラグジュアリーマーケットプレイスを作るというのが狙いです。
これは日本で言えばこんな感じです。(あくまでもたとえです。現実の話ではありません)
三井不動産のような不動産会社が伊勢丹を買い、さらに三越伊勢丹HDを傘下にいれ、さらに高島屋や高島屋の不動産部門、東神開発などをすべてグループにおさめたところに、楽天やソフトバンクなどに少数株主としてはいってもらう新会社を作ったようなものです。
それだけインパクトがある組み方だということです。
ラグジュアリーマーケットは、ひとつにとりまとめられていません。
理由は各ブランドがそれぞれさまざまなラグジュアリーのグループを作っており、それぞれが競合しながらブランドグループを構成しているからです。
LVMHやケリンググループやエルメスなどです。
しかし百貨店であれば、こうした枠組みを超えて、高級ブランドを揃えていますので、上手にやっていけばグループに関係なく、商品を品揃えして販売できます。
特にオンラインであれば、それをセレクトして見せることが可能です。
これらの高級百貨店をオンラインでつなげば、ブランド数については圧倒的になるでょう。
品揃えで売る百貨店ならではの強みです。
こうした取り組みで米国だけでなく世界をマーケットに販売していけると考えたのでしょう。
米国も今や米国だけではなく、いかに世界に販売できるかがポイントです。
そして、米国の百貨店もただ店を展開するだけでは米国内で売り上げを上げていくのが難しくなった証拠です。
これからの米国百貨店の動向に注目したいと思います。
百貨店という業態の強さを再認識していけるいける!!