パリ五輪の代表選考会を兼ねた陸上の日本選手権がテレビで放映されていてたまたま見ました。

そこでは今から男女800メートルの決勝が行われようとしていました。

解説は「なにかとんでもないことが起きるのではないかとドキドキしています」とのこと。

なにかと思い見ていると、その意味が分かりました。

男女ともに高校生が出場していて、両者ともに優勝の可能性があると言う。

非常に激しいトラック競技で知られる800メートル。

私は小学生の時に800メートルの選手だったので、どうしても気になって見てしまいます。

 

まずは女子から始まり、最初からトップに飛び出して最後までペースを保ち優勝したのは17歳の久保選手。

なんといとこがサッカー日本代表の久保選手だそうです。

高校生で日本選手権初優勝。

田中希実選手も出場していましたが800メートルの終盤は完全に久保選手が引き離し

トップでゴール。まだ余裕があるのでないかと感じる走りでした。

うれしそうな表情も多少見えましたが、そこまでやったぜという感じはなく、わりとたんたんと喜んでいるのが印象的でした。

 

次に男子800メートル。

こちらも16歳の高校生、落合選手が出場。

最初からぐんぐん飛ばし、そのまま優勝。

しかしタイムを見て、がっくりとひざをつき、雨に濡れたトラックをこぶしでたたいて悔しがっていました。

インタビューでは喜びの声もありましたが、

「パリの標準記録を突破できなかったのが悔しい」

とはっきり言っていました。

 

(写真 THE ANSWER より )

 

 

 

二人とも高校生で日本選手権を制しているのですから、10年前までなら、「とんでもなくすごいスーパー高校生出現」で、この結果だけでもスーパースターだったと思います。

しかし今のこの二人の高校生は、それは別に通過点だから勝って当たり前。

私たちの目線は世界にある という感じが伝わってくるのです。

今の若者は目線は世界、そして世界一しか狙っていないのです。

 

一方で他の競技では20代後半の選手で優勝してとても喜んでいる選手もいました。

パリ五輪はでれないのですが日本選手権での優勝に誇りを持っているようでした。

それはそれでもちろん価値があるし、その競技では日本一なわけですから、すごいことですが、日本一を目指しているのか、それとも世界一を目指しているのかの違いがはっきり表れているなあと感じてしまいました。

 

まさに目線をどこに置くかなのです。

目線を世界においた瞬間に、やるべき練習、だすべき記録、どこで勝ち切る必要があるかが変わってきます。

すると普通の練習では勝てないこともわかるので、普段の練習から世界を意識して練習することになります。

当然、世界にでるための通過点が日本一になるわけです。

 

今の子どもたちは大谷選手の活躍を毎日のように見ていますし、陸上でも海外の大学に通い、世界のトップ選手と練習をしているサニブラウン選手のような人をテレビを通じて見ています。

そうなると目線は世界に行くのも当然なのかもしれません。

 

今はまだ日本の陸上界は世界一の実力を持つ人は数人かもしれませんが、このような雰囲気でやっていったらもしかしたら日本人も陸上でもっと活躍できるかもしれないと感じました。

 

大切なのは目線をどこに置くか。

それが目標を大きくも小さくするのです。

今日も目線を上げていけるいける!!