東京都知事選に出馬する人が56人。

過去最多の出馬数だそうです。

NHK党が20人以上を擁立しているので結果的に多くなっています。

それでも実質30人近い人が東京都知事に立候補しているわけですから、やはり選挙の中でも「人気」の選挙の一つと言えるでしょう。

 

 

東京都のトップを決める東京都知事選。

人気の理由は、圧倒的な注目度です。

日本のすべての選挙の中で、東京のリーダーを決めるというのは、メディアでの取り上げ方ひとつとっても他の首長選挙と比べても圧倒的に注目されます。

 

選挙前から誰がでるのかで話題となり、立候補を誰がしたかをとりあげ、その中で誰と誰の勝負となるかに注目が集まり、実際に選挙速報でとりあげられます。

テレビ、新聞、WEBメディアなどさまざまなところから発信されます。

 

なぜか。

それだけ影響力が大きい都市だからです。

 

経済力が日本で圧倒的に大きい。

これが一番の注目理由でしょう。

都内総生産(21年度)は約113兆7千億円。

日本のGDPの約2割を占めます。東京一都市だけで2割ですからその大きさは半端ない。

オランダやトルコなど「国」のGDPレベルを東京都というひとつの都市が生み出しています。

それだけたくさんの企業が東京に本社をおき、東京から発信しています。

 

人口も圧倒的に多く、東京の競合都市と言えば、それは日本ではなく、ニューヨークやパリ、ロンドンといった世界の大都市が比較対象としてでてきます。

「もう経済の時代ではない」と言いつつも、この経済規模は他を圧倒しています。

 

東京都の一般会計予算は8兆4530億円。

都税収入だけで6兆円を超えます。

企業の売り上げと中身が違うので企業にたとえることはできませんが、仮に、この会計が売り上げだとすれば、東京都という会社は8兆円を超える規模の会社ということです。

大企業です。

 

人口1400万人を超え、いずれ1500万人に到達するのではという試算もある東京都。

出生率は低いですが、全国から東京に人がどんどん集まって流入も増えています。

この経済規模が大きいために、どうしても東京をはずしては語れないのが日本の現状です。

国会議員になって裏金がどうのこうのという議論をし続けるような仕事よりも、ひとつの都市のトップに立って、その都市のさまざまな政策の意思決定に関われるリーダーになったほうが魅力があると考えるのもわかります。

 

これに加えて、東京は半径10キロ以内の中心部に、世界的な大企業、日本の主要省庁、官庁など日本の政府機関も集まっています。

 

電車バスなど交通機関も充実しています。

クルマがなくても東京はさまざまなところに自由に行くことができます。

このアクセスの良さ、立地の良さが東京のもう一つの魅力です。

「便利」な街なのです。

「もう利便性の時代ではない」と言われますが、やはり何をするにも便利という点で東京は他の都市にはない魅力を備えているのは事実でしょう。



人が集まると文化やスポーツも盛んになります。

日本の売りの一つは食。

「ミシュランガイド24年版」で星を獲得した東京の店は183軒。

これは都市別で世界最多です。

日本の食が世界一と言われる所以です。美食の街 東京。

 

スポーツでも日本一を決める戦いの舞台は東京国立競技場や両国国技館、有明、神宮、武道館などすべて東京です。

 

音楽でひとつのひのき舞台になっているのは、武道館ですし、NHKホール、東京オペラシティ、渋谷公会堂(とはもう言わないが)、ZEPP東京ですし、東京国際フォーラムです。

 

もちろんテレビ、新聞、ラジオ、ネットメディアの本社やスタジオの多くも東京にあります。

情報の発信拠点でもあります。

 

学校も大学、高校、中学、有名小学校、幼稚園、インターナショナルスクールなども東京に集まります。

 

病院も有名病院は東京にあります。大学病院を作る際に東京に大学もあったから便利だったのかもしれません。

有名な商業施設も東京にあります。

東京は人口が多いので売り上げを高くとることができるからです。

 

とにかくあらゆるものが東京に集まっています。

かく言う私も東京都民。

すでに東京に住んで37年です。

もう人生の半分以上は東京で過ごしています。

私は江戸っ子ではありませんが、いわゆる東京の人口の大半を占めている地方出身東京住まいの一人です。

 

このような都市のトップを選ぶのですから、何かをしたい人にとっては、300万円の供託金を支払って都知事選にでて、仮に必要な票がとれずに供託金を没収されても十分に「元がとれる」のです。

取材されたりメディアに出演したり、街をまわって当たり前のように演説したり。

普通の人がこのような場で正式に何かを発信することはできないですから、チャンスをつかみたい人にとっては都知事選こそ最適な場なのです。

国会議員や都議会議員のように何百人のうちの一人、何十人の一人ではなく、唯一の人です。

代わりがいない。

 

そんな都知事選だからこそ注目されるし、よくわからない人も出馬してきます。

東京は価値ある街なのです。

 

選挙は7月7日。

東京という街の魅力をどのように高めようとしているのかを気にしていけるいける!!