23年の日本の合計特殊出生率1.20。

昨日、厚労省が発表した数字です。

統計開始以来、最低の数値となったようです。

その中でももっとも低い数値となったのが東京都。

東京の出生率は0.99とついに1を割り込みました。

 

(写真 虎ノ門ヒルズのレジデンス 100平米で月家賃134万!!)

 

これは今の東京の暮らしではいたしかたないように思います。

家賃が高い。

まあこの写真のような虎ノ門ヒルズに住むことはないにしても、こんな感じでゆつたりと暮らしたいと思ったら、都内の中心部、特に港区、千代田区、中央区などでは借りることすらできません。(こんなマンション借りれる人は逆に子育てはいくらでもできるほど余裕がある??)

 

何を買うにしても高い。

子どもを学校に通わせようと思うとお金がかかります。

私立に行かせたらさらにかかる。

じっとしていてもお金がかかるわけですから、子どもが中学校に入る前に、東京を出て埼玉や神奈川、千葉などに引っ越して、そこでマンションを買ったり家を建てたりする人が増えているようですが、これは今に始まったことではなく、以前からあった事象がさらに増えているということです。

 

東京に住むほとんどの人が、「生活コストが高く、将来に不安だから、これ以上家族を増やせない、これ以上子どもを産めない」と考えていることが数字として表れたということです。

 

しかし全国の各県数値を見ていて、東京だけが低いわけではないことが分かります。

全国平均1.2ですから、そこまで高い都市もないということです。

 

もっとも高いのが沖縄の1.60。

九州は比較的高い県が多いですが、福岡になると1.26と低くなります。

関西でも大阪は1.19。

京都は1.11とかなり低くなっています。

関東では神奈川、千葉、埼玉は1.1台です。

 

中部地方や中四国地方、北陸などは1.3~1.4あり、比較的高くなっています。

利便性も高く、暮らし向きがいいのでしょう。

働く場所もあり、気候も良く、食べ物がおいしくて、家賃が安い、土地が安い。

そんな県は出生率は比較的高い傾向にあるようです。

 

ところが東北地方、さらに北海道では出生率が低くなっています。

 

北海道は1.06。

宮城は1.07。

秋田も1.10です。

 

東北、北海道は比較的、土地の値段も安く、生活コストも東京などと比べたら安いはずですが、なぜか低い。

特に北海道が1.06と低いのが気になります。

札幌ならばわかりますが、道全体の数値がこんなに低いとは。

宮城も仙台ならわかりますが、県全体で1.1を切っています。

これはもしかしたら給与水準が低く、収入そのものが子育てするには十分ではないと判断している人が多いのかもしれません。

秋田などは教育に力を入れている県としても有名なのに、出生率が低いのはなぜなのか。

 

県別の数値を見るとこうした疑問がいろいろでてきます。

 

ただ共通して言えるのは、「自分たちのことだけで精一杯なのに、子育てにかける時間、お金、こころの余裕がない」ということでしょう。

これが変わらなければ出生率は上がってきません。

 

昨日は政府が、今後の子育てにからむ「異次元の施策」を発表しました。

子育て関連にお金を使うようですが、こうした取り組みを決めるのがあまりにも遅すぎる。子育て給付の所得制限をなくすのも遅いですし、今さら という感じが多い。

どこまで本気で少子化対策をしようとしていたのか。

もう20年くらい前からこのような状況は予測できたはずなのに、なかなかお寒い感じです。

 

(以下、日本経済新聞より一部抜粋)

「国立社会保障・人口問題研究所によると、東京の50歳時点の未婚率は男性が32.15%、女性が23.79%(いずれも20年)でともに全国で最も高い。出生率の分母は15〜49歳の女性となっており、独身の女性が多い地域で出生率は低く出る傾向にある。

(以上ここまで抜粋)

 

東京は特に未婚率も高い都市です。

独身が多いと結果的に出生率は低くなる傾向にあるので、全国各都市で出生率が低い都市に共通するもう一つは、未婚率が高いということもあるでしょう。

 

未婚を選ぶ人は、そのライフスタイルの自由さ、稼ぎの使いみちに制限を受けないことで自由な暮らしができるという選択をすることができます。

東京のように暮らし向きが悪いところではそれもまた当然の選択です。

 

しかし、それでも東京に住みたい人がまだまだ多いということです。

と言うことは、子育て世帯にとっては暮らし向きが悪いのかもしれませんが、未婚の世帯にとってはなかなかいい暮らしができる便利な街ということでしょう。

京都、北海道、宮城、神奈川、福岡などはその典型の街なのかもしれません。

 

ここからの異次元施策で出生率に変化はあるのか。

まだまだ足りない子育て施策ではありますが、今度はこればかりやっていると、それだけでいいのかという声があがり、また中途半端な施策に終わる可能性があります。

 

これを突破していくには、各市町村にもっと柔軟な子育て施策ができるようにばんばん仕向けていくことしかないのではないかと思います。

東京都でも山手線周辺は別として、すこし離れれば、暮らし向きがいい街もたくさんあります。

そうした暮らしやすい街で子育て環境を整えていくとか東京でも出生率を上げていくための施策はまだまだできると思います。

きっと小池さんが今度の都庁選にでたら、異次元の子育て支援を打ち出すでしょう。

 

いずれにしても子どもは国の宝。

国の活力の元です。

全世界共通のテーマである少子化に何か新たな対策がでてくるか。

もう少し世界的な視野でとらえて考えてみたいと思います。

 

今日も出生率を考えていけるいける!!