全国主要地区の商業施設の賃料が上がっていると言います。

 

24年1~3月期の全国主要10地区のうち、7地区で23年10~12月の賃料に比べて値上がりしているようです。

わずか半年前よりも上がっているわけですから、都心の賃料水準はますます高くなることでしょうし、入居するのもなかなか難しくなっているとも言えます。

 

CBREの調査によると、東京でもっとも上昇率が高かったのは渋谷。

やはり渋谷か という感じですが、3.3平方メートルあたり、13万9000円。

1坪およそ14万というのが渋谷です。

 

全国でもっとも高いのは銀座。坪26万円。

関西では京都の上昇率が高く坪11万円。

大阪の心斎橋は坪24万円とこちらも全国トップクラス。

そして福岡の天神地区でも坪5万8千円です。

 

天神地区が安く見えますが、通常、事務所を借りたり、ちょっとした商業施設に店を出す際に坪2~3万円でも「なかなかですね」となりますから、天神地区でも賃料が爆上がりしていると言えます。

 

そこからしたら渋谷の14万はめちゃくちゃ高い。

しかしこれが今の賃料水準ということです。

この高さで空室率が0.4%!!ということですから、主要な施設ではほぼあいていないということです。

ちなみに銀座よりも空室率が低いのが渋谷です。

 

この商業施設に新規出店する顔ぶれも、この半年間で変わり始めています。

 

昨年末まではファッション、中古品販売が半分以上を占めていた新規出店ですが、24年になると、アウトドア・スポーツがもっとも多く23%。ファッションが減って19%、ラグジュアリーブランドとドラッグストア系やコスメ系が続きます。

そして新顔としてショールームが全体の9%となっています。

 

新規出店の顔ぶれが変わりつつあります。

 

 

日本には今や世界中のアウトドア・スポーツブランドが出店しています。

トップクライマーにも人気のMarmotなどのハード系のアウトドアブランドをはじめ、大手のスポーツブランドからマイナーなブランドまでありとあらゆるブランドがでています。

アウトドアやスポーツブランドがファッション化したこともありますし、気候変動で冬がめちゃくちゃ寒いとか、夏がめちゃめちゃ暑いので機能性ウェアが好まれるようになっていることも一つの理由です。

 

仕事をする際にもスーツではなくなったことも大きな理由です。

 

結果的に作業しやすいアウトドア・スポーツ系ウェアが売れ、そのような店の出店依頼や意欲が高まっています。

 

(写真 ハラカド内コクヨのショールーム兼ストア)

 

4月に原宿 神宮前交差点にできたハラカドは、ショールームのような店がいくつも入っています。

これは文具・オフィス機器メーカーのコクヨがオープンさせたリソグラフ印刷のワークショップスペース兼ショールーム。

印刷や印刷でできる見本などを見せながら、自分でオリジナルの印刷が楽しめるスペース。

 

ファッションビルのようなハラカドに印刷?と思いましたが、昔のぷりんとごっこのような体験ができるスペースは人気になるだろうと思いました。

今はこうした新しいショールームに注目が集まりだしています。

 

時代が変わればはいる店も変わります。

 

商業施設の賃料が上がれば出店できる企業体力のあるところしかでれなくなります。

大手か、まったくの異業種か。

これからはまるで異なった施設が増えてくるかもしれません。

 

今日も新たな商業施設のあり方を考えていけるいける!!