先日、ある大物音楽プロデューサーの方にお会いしました。
その方は、誰もが知る日本の有名アーティストのアレンジを担当する有名プロデューサーです。
「昔の名前ででています」的な、昔活躍していたプロデューサーという方はたくさんいますが、今、現役でバリバリの私よりも年上のプロデューサーというのはあまりいないのでは?と思います。
デビュー当時からサポートしているアーティストは、今も日本のトップアーティストばかり。
また、ヒット曲を持つ大物アーティストもこの人のところに相談に来ると言います。
一度ヒットした人が、もう一度ヒットを飛ばすのは難しいものです。
この人ならそれをサポートしてくれるのではないか?と相談に来るわけです。
ですからプロデュースしている人は、アイドルのような若手から、超大物アーティストまで。
とにかくその幅が広い。
ここまでの幅が広くなったのは何がポイントだったのか。
話を伺ってよく分かりました。
それは、「音楽プロデューサーの仕事とは、コミュニケーションである」という考え方です。
音楽を作る、よい音楽を届ける。そのための手伝いをするのが音楽プロデューサーの仕事です。
だから音楽を作るセンス、よりよいものに仕上げていく力をもっていることは大前提。
そこがなければこの仕事は成り立たないでしょう。
しかし、「それだけでは仕事はこない」のだそうです。
それに加えて「この人はいい人だから」という人間性がなければ、仕事が来ないと言うのです。
では、いい人 という中身は何なのか。
それは「人の話をよく聞くこと」だと言うのです。
そもそもアーティストで活躍している方々は、みな、音楽の才能があり、それを表現できる方々です。
だからこだわりや、これをやりたいという思いは持っているわけです。
それをプロデューサーだからと言って、「ここはこうしないとだめだ」とすべてを否定してはいけないのです。
「まずは、いいねえと聞くことです。いいねえと聞いて、一度それを受け止める。
受け止めてその人がやりたい方向で一度作ってみる。
そして聞き比べてもらう。すると自分の選んだほうではない、私の作ったもののほうがいいということになったりするのです」
ということで、自分の考えがすべて否定されてもまったく大丈夫です とおっしゃいます。
相手が大切だからです。
依頼してくれたそのアーティストがやりたいことを実現させていくことが自分の仕事だとよくわかっているのです。
だから自分の考えを否定されても構わないし、作り上げたものをもう一度チャラにすることもできると言います
この謙虚な姿勢の基には、とにかくいいものを作りたい、いい音楽を作って世の中に発信していくことをやりたい。だから相手の話をしっかり聞くことが大事なので、自分の仕事は話を聞くこと8割です と断言されていました。
いいものを作るためには、やはり相手の話を聞くことが重要ということです。
とても勉強になりました。
そういえば、以前からお付き合いのある音楽プロデューサーのYANAGIMANさんも同じです。とにかくしっかりと話を聞くところから仕事を始めます。そして謙虚。
だからケツメイシさんたちのようなアーティストがヤナギさんと付き合うのだなあといつも感じていました。
私も話すことよりも話を聞くことのほうが得意ですが、もっとやらなければいけないなあと思いました。
話を聞いて、お客様がやりたいことを考えて実現させていく。
やることは同じだなあ、と。
何をやりたいのか。
何を実現させたいのか。
どんなことが狙いなのか。
それを聞いて、言葉にして、実現に向けて動いていく。
すべてこれはコミュニケーションから生まれてくるのです。
今日もお客様の話を聞いていけるいける!!