昨日、静岡県知事の川勝知事が「6月の議会をもって辞職しようと思う」という発言をしているのをニュースで見ました。

私は静岡出身なので、時々、「あの静岡県知事についてどう思われますか?」と聞かれることがありました。

そのたびに、どうと言われても・・・と私は困っていました。

実際に知らない方のことをどうこう言えないからです。

 

ただ、いろんな問題を抱えながらも、知事をやられている方だとは思っていました。

なので、このタイミングで辞めようと思う発言?と不思議に思いましたが、

 

よく考えての発言とのことなので、ご本人なりの独特のロジックで考えられたのでしょう。

しかし「やめるのやめようと思った」という発言が今後でてくるかもしれませんのでまだわかりませんが・・・。

 

昨日の時点では辞めることを決めたのだそうですが、そのきっかけの一つとなったのが、静岡県庁の入庁式での訓示です。

私はこの訓示を前後も含めてみましたが、不適切な内容でした。

 

特に批判のあった部分を切り出すと、以下のような発言をされています。

 

(下記、一部抜粋)

「県庁というのはですね、別の言葉でいうと、シンクタンクです。毎日毎日野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたり、あるいは物を作ったりということと違ってですね、基本的に、その、皆様方は頭脳、知性の高い方たちです。ですから、それを磨く必要がありますね。で、それは磨き方、色々あります。知性を磨くということ、それからですね、やっぱり感性を豊かにしなくちゃいけない。体がしっかりしなきゃいけませんね」

(以上、川勝知事 訓示より抜粋)

 

(写真 静岡新聞より)

 

 

この内容。ご本人は新入庁職員を鼓舞するためにした話なので と言っていましたが、本当にそう思ってわざわざこんな話をしたとしたら、まったくずれているとしか言いようがありません。

 

なぜ、野菜を売ったり、牛の世話をしたり、物を作ったりという、他の仕事と県庁の仕事を比較する必要があるのか。

比較しないと理解できないと思ったのか。

いやそもそも、この方は、県庁仕事のような行政の仕事こそ一番、高尚な仕事であると考えていることが伝わってきます。

実に不思議な感覚。

こういう話を普通にしてしまっている感覚が不思議です。

 

地元 静岡の方からは「常に上から目線であるのがイヤだ」という話を聞きました。

 

私は仕事をしている現場を見たことがないので、日々の状況がどうだったのか知りません。ですのでこれ以上は憶測になるので何も言えませんが、なんとなく普段の感じも想像できてしまいます。

 

 

上の発言は、あえて言えば、「県庁というのはですね、皆様方のように頭脳、知性の高い方たちを求めています。」でしょう。

 

これだけならまだ新しく入ってくる人たちを鼓舞するために、「だからこそそれを磨いて、感性を豊かにして、体をしっかりする」という話もわかります。

 

しかし、わざわざ、他の職業と比較する話をしてしまっている。

 

これはどう切り取ってもアウトでしょう。

今の時代だからアウト、今だから不適切という内容ではなく、いつの時代でもアウトです。

 

不適切にもほどがある。

まさにこのような内容です。

 

トップに立つ人は言葉を大切にする必要があります。

国語力が大切です。

人は言葉で動きます。

言葉によって人は傷つきもするし、励まされもします。

だからトップに立つ人は、人一倍、言葉を磨き、言葉を選ばないといけません。

 

その人が本当にまわりのことを考え、社員のことを考えて、お客様のことを考えて仕事をしている人なら、多少の言い間違いや、たまたまでてしまった言葉を拾われても、まわりがそれをサポートするでしょう。

 

しかし普段から言葉の使い方が適切てないような人は、まわりから支援してもらえません。

だからこういう言葉が拾われてしまうのです。

 

4月は新入社員の前で話したり、あるいは新たな期がスタートして今年度のビジョンを社員に宣言したりする場面がトップは多いと思います。

そのような場で、どんな言葉を投げかけるのか。

 

相手に伝わった言葉がすべてです。

自分の真意よりも、相手にどう伝わったかです。

 

トップはそれを意識して、言葉を大切にしていきましょう。

 

今日も言葉を選んでいけるいける!!