九州は海外、特にアジアやASEAN各地から近い。

近いからこそ海外からの渡航者も多く、海外企業の日本進出の際に九州を拠点とすることも多い地域です。

また昔から南蛮渡来の舶来品や文化が運ばれてきたのも九州です。

現在は、熊本に台湾の半導体大手、TSMCの半導体工場ができるということで、大変な盛り上がりを見せているようです。

 

(写真 TSMC)

 

その熊本に新しいインターナショナルスクールができると聞きました。

それが九州ルーテル学院という学校が新たに開校する

「九州ルーテル学院インターナショナルスクール小学部」です。

 

この学校は文科省の教育方針に乗っ取りながらも、海外の大学留学資格を得られるような国際バカロレアを取り入れ、授業の7割を英語で実施するという小学校です。

 

入学予定者は1年生から6年生まで30人ほどだそう。

ここに通う台湾出身者は6人。

日本人が20人以上。

授業料は年間95万円と言いますから、普通の学校から比べたらとても高いですが、インターと比べたら比較的値ごろと言ってもいいでしょう。

東京のある私立小学校は年間100万以上するところもざらにありますから、インターであることを考えたらお得な学校と捉えられているのかもしれません。

日本全国から注目を集める一校になっているようです。

 

最近、日本にはさまざまな有名インター校が開校しています。

東京や岩手、千葉などに、年間1000万以上するようなインター校が開校しています。

これからもこのような海外を視野に入れたインターナショナルスクールが開校していくでしょう。

 

また、受験塾でも最近は、小学校の頃から海外大学への留学を前提に勉強を始めて、受験も海外というコースを作ることが増えてきました。

ベネッセの「ルートH」などはその典型。

同校のHPには2010年から2021年までの11年間でどのような大学に進学したのかの実績がまとめられていますが、ズラリ「Harvard」という単語が並んでいます。

 

そしてその横には、その他の合格した海外大学の名前とともに、東大理Ⅲなどの学校名が。

 

すでに、国内トップの大学に行かずに、海外留学に切り替えている若者がある程度いることがわかります。

これまでに47人がこのコースから海外大学に進んだのだそうです。

(HP上の進学実績は100人以上と記載)

 

 

塾、予備校、高校までが海外留学を前提にし始め、インターの小学部も増えている。

そんな中で気になるのはやはりお金です。

 

塾代もかかれば、海外留学のための下見や勉強、短期留学などにも費用はかかります。

実際にアメリカの有名私大に進学するとなると1000万以上の費用がかかってきます。

 

芦屋市長になった高島さんは灘からハーバードに進んだ一人で、留学中にいろいろ話を聞かせてもらいましたが、ハーバードでも年間1000万以上はかかるそうですが、多くの学生は奨学金をもらって通っているようで、「実際にはその半分くらいの800万くらいで通えると思いますし、ほとんど授業料がかかっていないという学生もいます」という話でした。

 

それでも高いと思うのか、日本の大学に進んでのほほんと過ごすのか。

 

今の高学歴な親たちは、日本という国の将来に不安を感じていることもあり、お金ではなく海外での経験を買う という決断をする人が増えているのではないでしょうか。

 

お金の面、安全面、そしてその後の人生設計の面。

いずれも気になるところですが、日本にいて日本の学校に通うことで人生バラ色になるとは思えない時代でもあります。

 

要はどんな学びをしていけば、自分の才能に磨きをかけられそうか。

そして社会で活躍し世の中に貢献できそうか。

それを叶えられるのが海外であれば海外がいいし、日本にいても大丈夫だと思えれば日本でもいいのです。

 

私はこうした学校が増えて選択肢が増えること自体がいいことだと思います。

全員が留学する必要性もないし、日本でやっていくことを選ぶことも間違っているとは思いません。

最初から決められたコースに進んでいくのではなく、さまざまな道を選べるような学びの過程を過ごせるような環境になってきたことに意味があると思っています。

 

これからの教育は大きく変化していきます。

それを支えられる親になれるのかどうか。

そのような道を選択できる子どもに育つのかどうか。

これからの日本の教育の在り方を考えるきっかけとなりそうです。

 

今日も学びの価値を考えていけるいける!!