ローソンがKDDIグループに入ることになりました。

ローソンは三菱商事が50%の株式をもっているので、それ以外の株式をKDDIが取得できれば、三菱商事とKDDIが50:50となり、共同経営者となります。

そして上場廃止へと進むことになります。

他社が入り込むスキはないですし、おそらくこのままTOBが成立し、KDDIと三菱商事の子会社になることは確実でしよう。

 

ローソンの経営にKDDiが入り込むことに何かメリットがあるのでしょうか。

 

ローソンにとっては今後進む、小売業のDXを加速させるきっかけとなることでしょう。

店頭のメディア化を進めるファミマのように、ローソンの店頭もよりデジタル化が進み、リテールメディアと呼ばれる、店頭でのメーカー広告が増えていくはずです。

 

また、実験している無人コンビニや、ウォークスルー店舗、AIコンビニなどの新しいコンビニの形を生み出す取り組みもますます増えるでしょう。

 

(写真 インプレスウォッチより)

 

総合商社との取り組みという点ではファミマは伊藤忠、ローソンが三菱商事と一緒にやっているという点で、仕入れや物流などの商品面でのメリットがあります。

 

しかし今後必要なのはデジタル化。

データを活用した顧客の囲い込み、顧客への新たな提案が必要となります。

 

そのためには、

1.店舗数が多いこと

2.データ連携されていること

が必要となります。

 

その点で、携帯電話の窓口機能を持つKDDIの店舗2200店舗はローソンにとっても魅力です。

単純に考えればKDDIの店舗にローソンのPB商品が並ぶということです。

ローソンのスイーツやドリンクなどが一部並ぶだけでローソンは売り上げが上がりますし、KDDIとしてもお客さんの来店頻度向上につなげられます。

 

また、周辺にローソンが多くない地域のKDDI店舗であれば、店そのものをローソンに業態転換し、ローソンの店内にKDDIコーナーができるという逆転した店舗もできるかもしれません。

 

これは既存のローソンをKDDI店舗に変えていくこともありえるということです。

つまり、両者のもつ店舗そのものが価値を持つようになります。

 

ローソン1万4600店舗。

KDDI2200店舗。

あわせて1万6800店舗となります。

 

この店舗網でセブンに対抗していこうというのが狙い。

 

今はコンビニは新規出店場所を見つけるのがなかなか大変です。

このように既存の別業態とくっつくのが一番手っ取り早い店舗網の拡大につながります。

そのまますべてをローソン化できなくても、いろいろ使えるチャネルが手に入ったと思えば、KDDI傘下になるのはローソンには悪くない話なわけです。

 

コンビニ商品に加えて、ケータイ、保険、旅行などのサービス商品が加わり、ローソンはある意味、品揃えを拡大させることができます。

品揃えが増えれば売り上げを拡大させることも可能となり、1店舗あたりの売り上げを上げられる可能性も高まります。

 

人口が増えない中で、売り上げを上げるには、品揃えを拡大するというマーケットサイズの付加がポイントだからです。

 

セブンの一店舗あたり日販 69万8千円

ファミマは55万3千円

ローソン 54万9千円です。

 

コンビニは業態特性上、1店舗あたりの日販を上げられるかどうかです。

これが今回のKDDI傘下になって実現できるかどうかが鍵です。

 

コンビニ業界に動きがあります。

これからのローソンに注目していけるいける!!