昨日は一日、東京の丸の内で仕事でした。
一日の仕事を終えて新丸ビルに向けて歩いていると、とてもきれいなライトアップされた通りにでました。
新丸ビルの裏の通りです。
そこから写真を撮って、右側にあるはずの東京海上のビルが完全になくなっていることに気づきました。
囲いで囲われていて、あるのは大きなクレーンだけ。
昔、仕事で何度か来たことがある東京海上本社ビル。
レンガ色のあの独特のカラーがとても印象的なビルでしたが、もうそのビルは取り壊されています。
ここに何が建つのかと調べていたら、また特徴的な新本社ビルが建つらしいということがわかりました。
それがこのビル。
(写真 東京海上日動海上火災保険 リリース資料より)
(以下、東京海上リリースより)
建築家のレンゾ・ピアノ氏が主宰するRenzo Piano Building Workshopと、三菱地所設計が基本設計をまとめた。床の構造材にCLT(直交集成板)を使い、柱の多くにも木材を取り入れる。建物のファサードは垂直に立ち並ぶ柱をガラスで覆うデザインに仕上げ、「木の本店ビル」のイメージを打ち出す。
(以上ここまで一部抜粋)
これは皇居側から見た東京海上のビルのイメージだと思いますが、単なるインテリジェントビルではなく、木材をふんだんにとりいれたビルになるそうです。
木の本店ビル。
とてもいいですね。
今やこの周辺のビルはすべて30~40階建ての大きなコンクリートのビルばかりです。
その光景も都会っぽくていいのですが、正直、日本の風景にはあまり似合いません。
しかし、木材を活用していくと投資もかかるし、建て方も難しくなるのでなかなか作れません。
それを今までのレンガ調の建物から、木材になるということで、古くて新しい日本のビルになりそうな気がします。
そもそもの東京海上ビルは、日本のモダニズム建築の代表者、前川国男の作品、
取り壊す際には「待った」がかけられたほど有名な建築物でした。
建築計画が発表された当初は、「皇居の近くで皇居を見下ろすようなビルを建てるとは何事か」と美観論争が起きたとか。
確かにこの場所は皇居を見下ろせる最高の立地にあります。
そんなところに130メートルのビルを建てようとしたわけですから、「不敬」と言われるのも仕方ない気がします。
結局、100メートルのビルに計画変更することで認められたのだそうです。
そんなこともあり、今度の木造建築物も高さは100メートル。
同じ高さを守りつつ、見映えはまった新しいビルに変わるのです。
歴史を守りつつ、次の時代にどう向き合うかという一つの表現です。
これはこれでイノベーションを感じます。
今日本ではさまざまな変化が起きています。
損保ジャパンの櫻田会長が3月での完全退任を発表しました。
政治の世界では派閥が次々と解体されています。
企業でも、今までは通用していたやり方や慣習が見直され、まったく新しい取り組み、イノベーションが必要になってきています。
この東京海上のビルが変わるさまは、まさに日本のこれからを示しているような気がしました。
古い物をただ新しくするのではなく、もともと守ってきたものを軸にしつつ、新しいものを作り上げていく。
そんなイノベーションを私はしていきたいと思います。
今日も日本らしいイノベーションでいけるいける!!