転職を希望している人が1000万人を超えて、この10年で最高になっていると言います。

リクルートのインディードが「2024年日本の労働市場の展望」で出したデータにありました。

 

(写真 インディードより)

 

23年7~9月の転職希望者が1000万人を超えていたというものです。

就業人口の15%の人たちが転職を希望しているというものです。

 

ただし実際に転職をした人は325万人だった(同期間)ということで、希望者はいるものの、なんとなく他の企業がいいかなあとか、転職したいかと問われたらまあしてもいいかなあと感じている人も含まれているので、本気の転職希望者が1000万人いるわけではありません。

 

それでも、転職希望者が1000万人を超えたのは初めてということなので、これは変化が起きているとみてもいいかもしれません。

増えた理由を見るといくつかの傾向が見て取れます。

 

「シニアの転職希望者が増えている」

 

これは明確にあるでしょう。

インディード上で中高年に関するキーワード検索は全体の検索数の2%あるそうです。

これはなかなかのボリュームです。

しかもその比率は上昇していると言います。

 

総務省の「労働力調査」では転職希望者に占める55歳以上の割合が同じ23年7~9月の期間で18.7%。

実にこの割合も10年前から増加しています。

 

いろいろな調査を見てもシニアの転職希望が増えていて、実際の転職者が増えているというのも実態です。

 

これまで通りの「生涯同じ会社」という感覚がなくなり、50歳を過ぎてもチャンスがあれば と考え始めた人が増えたのは健全だと思います。

 

転職したらもっと適職があるかもしれない。

仕事内容を変えたら活躍できる人もいるかもしれない。

私もそんな中途人材によく会います。

もちろんうまくいかない人も多い。

そのような人は入社して1か月もたたないうちに消えていきます。

 

だから合うか合わないかはわからないのですが、それでも自分の可能性を感じて転職したいシニアは確実に増えています。

 

そう考える人の多くは、「給与を上げたいから」でしょう。

カネです。

 

これがインディードの検索でも表れています。

時給に関するキーワードは多いのですが、時給「1500円」や「2000円」の検索が「1000円」を上回っていると言います。

 

また月給でも、「20万円」より「40万円」の検索が上回っています。

 

求職者がより高い給与を求めているのは事実で、かつ、シニアがカネを意識して転職を希望しているのでしょう。

 

時給という点では、より高い時給を探したいのは年代変わらず求めているのだと思いますが、シニアのほうがより顕著です。

 

世の中がどんどん物価高になり、それに賃金が追いついていない状況のニュースが流れるたびに、もっとなんとかしなければ と考える人が増えているのです。

 

また、実際に手数が足りないのでシニアでもいいから人がほしいという求人数が増えているのも実態です。

特に中小企業で全体をとりまとめてくれる有能なシニア人材を探しているということもあります。

企業も求職者もインディードなどのサイトで探しやすくなったということも後押ししている要因です。

 

実際に今働いていないシニアが仕事にでてくれば、人手不足が一部解消される可能性もあります。

その意味では人手不足を解消する一手になるかもしれません。

 

 

ただ何度も言いますが、転職で成功できる人は、過去の自分の経験を売りにしない人です。

「〇〇会社で部長をやっていました」

的な大企業の中間管理職がよく入社してきます。

お客様のところに。

 

大きな会社の管理職をやっていた を売りにする人はたいてい厳しい。

大手から大手へ移ればいいかもしれませんが、大手から中小に転職する場合は、その経験があだとなりうまくいかないケースが多いようです。

 

転職するには、それまでの経験を全部捨てて、ゼロベースでできるかどうか。

 

そんな感覚をもっている人ならうまくいくかもしれません。

特にシニア転職では気を付けるべきでしょう。

 

今日も自分の力を客観的に見ていけるいける!!