小売り大手企業の23年12月までの業績を見ましたが、どこも調子がいい。
12月単月は暖冬だったため冬物が売れず苦戦した企業が多かったものの、その後寒くなり、冬物も動き始めているので1月に入ってからはプラス基調になり始めた企業も増えています。
日本全体の商業(卸売り・小売り)販売額そのものが好調になってきています。
明確に数字ででている昨年の上半期では商業統計上は前年同期比でプラス1.9%。
特に小売業が伸びています。
業態別に見ると、百貨店の伸びが際立ちます。
前年比9.7%の伸び。
百貨店で非常に好調なのは、コスメ、ラグジュアリーブランド、宝飾関係などで、完全にインバウンドと日本の富裕層の消費の恩恵を受けています。
また国内では、コロナ以降、人が買い物にでかけるようになってきたことが追い風になっています。
22年まではまだコロナによる行動制限を受けていたわけですから、かなりのマイナスインパクトだったわけで、その消費行動が変わり、百貨店に人が戻ってきた23年になっています。
スーパーはどうでしょうか。
スーパーも2.8%の伸びです。
コロナによる特需で21年、22年と伸びてきましたのでそれに比べると伸びは止まりつつあります。
一部の企業では売り上げが下降しているスーパー企業もあります。
ただコロナによって家に帰る習慣もできて、外での飲み会が減り、家での食事、宅飲みという習慣も増え、酒やつまみなどをスーパーで購入することで新たな需要を開拓している店もあります。
また、今後はイオンが本格的に宅配を強化していきます。
自社物流センターを整備しつつあるようですし、より個別に対応した店づくりに変わっていくかもしれません。
私はローカルスーパーに注目していますが、それはまたの機会に。
コンビニは5.1%の伸びです。
コンビニはさすがにもう伸びしろないかと思われましたが、リモートワークからオフィス出社が増えたこともあり、都心の店舗の伸びが目立ちます。
セブンやローソン、ファミマなどでは都心店舗も多く、これらの店の売り上げが貢献してプラスになっているようです。
それだけではなく、ファミマはアパレルを強化。
ローソンはスイーツや店内調理を強化。
セブンはPB商品をあらためて強化。
など、商品面での革新も引き続きあります。
コンビニの宅配も強化されていて、今後はスーパーとの競合も増えてくると思います。
ドラッグストアも好調。7.7%の伸びです。
調剤が伸びているのが大きいですが、コスメなどの伸びも高い。
コロナからの回復で、メークする女性が増えたり、インバウンド消費が加わったり、最近強化しているクスリの売り上げがのっています。
都心店舗の復活もあり、今も成長が続く市場です。
一方で家電量販店は-3.2%、ホームセンターは-0.8%と日本の小売りの中ではマイナスが目立つ業界です。
郊外に店舗を構えているところも多く、コロナ禍で伸びた反動とも言えるかもしれません。
ただパリ五輪もあるので今年は家電は伸びる余地があります。
ホームセンターはいざという時の備えの品揃えに必要なものが揃っている店として、こちらも今後伸びる可能性があります。
このように業態によっては伸びていないものもありますが、多くはコロナ禍からの解放という追い風にのって伸びてきたのが実態です。
2024年はこの反動で伸びた数字がベースになります。
ここからが正念場でしょう。
いまは株高もありそれらが支えとなって消費が伸びる場面もあるでしょうが、4月以降にここまで取り組んできたことが成果として現れてきます。
いよいよ優勝劣敗がはっきりしてきます。
地道に努力を続けてきた企業が一気に伸びる2024年。
いかに原点を大事にしつつ、新たなことに取り組めるかが勝負です。
今日もお客様に喜んでいただくことを考えていけるいける!!