私のお客様は東京都心で不動産事業を展開して、早や30数年になります。
もともとは賃貸不動産事業を展開していた会社ですが、20年ほど前から不動産開発事業を展開し、最近は東京都心の駅チカ物件のマンション開発では比較的有名な会社になっています。
しかしその会社でも最近の都心の、特に都心6区では土地を「買えない」と言います。
土地が上がっているのです。
とんでもない坪単価になっているため、最初から話にならないような土地が多いのだそうです。
これは建物や物件そのものの高騰にもつながっています。
仕入れる土地が高いので建物の販売価格も上がっています。
しかし今は中古物件も高騰しています。
それは、海外富裕層がバンバン購入しているからです。
不動産にもインバウンド?というくらい海外マネーがはいってきているようです。
先日も知り合いが千代田区内のマンションを「無事に売れました」と言うので、
「1億以上で購入していたから2億くらいになりましたか?」と聞くと「いえいえ、3億以上で即売でした」と言います。
すでに5年以上住んでいた物件ですが、とても人気のあるマンションなので、価格がどんどん上がっているからとても高値で売れてよかった という話でした。
都心でも6区は特別な動きをしています。
(写真 三田ガーデンヒルズは平均4億円台で400戸販売予定というが誰が買っているのか)
不動産調査会社の東京カンテイによると、都心6区(東京の千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、渋谷区)の中古マンションの平均希望売り出し価格が11月まで10か月連続で最高値を更新しています。
11月は、なんと1億896万円!!
東京都心6区では中古でも1億超えが当たり前です。
新聞の折り込みチラシを見ていても、新築の場合は2億以上の物件が当たり前ですし、中古でも1億以上の物件がとても増えています。
東京都心6区は生活にも仕事にも観光にもいいということで、特に海外富裕層に人気があるのが高くなっている一番の理由でしょう。
これではわれわれのような大衆にはとてもじゃないですが手がだせない状態です。
一方で品川区、世田谷区などの城南・城西6区や江戸川区。練馬区などの城北・城東11区では頭打ちです。
ここ数年ずっと値上がりしてきましたが、23年にはいって伸びが止まり始めています。
これは、これからの区は実際に住まいとて購入を検討する国内居住層が中心の購買層であるため、「実需層」とも呼ばれているそうです。
実需層に支えられる物件は、生活の実態そのものが反映されやすくなります。
一人当たり賃金が物価を考慮すると19ヶ月連続でマイナスとなったことなど、実際の生活を反映している様子がうかがえます。
それでも城南・城西では6~7千万円近くしますし、城北・城西でも5千万ほどします。
東京23区全体では6408万円。
神奈川は3657万円。
千葉は2704万円。
埼玉は2992万円。
東京がダントツに高いのです。
ここからどうなるか。
日銀がもしかしたらマイナス金利政策を解除する可能性もあります。
やりそうな雰囲気をだしていてまだしませんが、24年は可能性があります。
そうなると金利が上がり、住宅ローンの借り入れ負担も大きくなります。
すると国内に住む私たちにとってはますます東京の不動産は購入できなくなり、海外投資家がばんばん購入するという流れがさらに強まるかもしれません。
するとますます東京の不動産価格は上昇する可能性も・・・。
しばらく東京の不動産価格から目が離せない状況です。
来年に向けてどのような動きになるか注目したいと思います。
今日も東京の不動産価格を考えていけるいける!!