ひとりでいる時間を好む人が増えている。
(写真 &Premium 2020年6月号より)
そんな調査結果を見ました。
博報堂生活総合研究所の調査で、過去にやった調査をあらためて実施してみたところ、様子がだいぶ変わってきたという内容のようでした。
1993年と2023年で「ひとりでいる時間を好きかどうか」を聞いたものです。
30年で「ひとり好き」が過半数に…なぜ価値観は変わった?1993年当時との“違い”を博報堂生活総合研究所に聞いた|FNNプライムオンライン
この調査では、まず
「ひとりでいる方が好き」
「みんなでいる方が好き」
の2つの考えを示して、どちらが自分の考えに近いかを質問しています。
みなさんはどちらが好きかと聞かれたらどう答えますか?
私は93年当時も今も、ひとりでいるほうが好きなので特に考えは変わっていませんが、この結果を見る限り、30年間でだいぶ価値観が変わってきたことがわかります。
1993年はみんな派が56.2%、ひとり派が43.5%でした。
2023年はみんな派が43.7%、ひとり派が56.3%と逆転現象が起きています。
この30年で「ひとり派」が増えているのです。
「意識してひとりの時間をつくっている」
「ひとりで没頭できる趣味をもっている」
「趣味、遊びはみんなでやるよりひとりでやるほうが好きだ」
「ひとりで行けるなじみの店がある」
などの項目で、いずれも増えているのです。
みんなでわいわいやるのも楽しいけれど、自分ひとりでいる時間をつくりたくなってきた社会事情がありそうです。
私はひとりで行けるなじみの店はありません。
外食はひとりは苦手で、出張に行ってもひとりで食事をしに出掛けることはほぼありません。
しかし食事もひとりで行ける人が多くなっていることにも驚きます。
ではなぜこのような変化が起きているのでしょうか。
考えられるのは、3つの理由です。
一つは、スマホなどの情報ツールを誰もが手にしたことで、ひとりでいても誰かとつながっているという安心感があるから。
つまりひとりでいるほうが好きだと言っても常に誰かとつながっている、あるいはつながれる手段をもっているから、それならひとりでいても寂しくないという人が増えているのだろうと思います。
もうひとつは社会的な変化。
30年前は「ぼっち」はさみしいもの、友だちもいないさみしい奴という認識のほうが強かったと思います。
今はそんな偏見めいたものは減りました。
ひとりでもいいんじゃない という生き方をする人が増えているからです。
ヒロシのソロキャンプや、老後もひとりほうが気楽というひとりぐらし、ひとり、ソロ、ぼっちを楽しむ人が圧倒的に増えてきたという社会事情があるからです。
ひとりぼっちのXmasでもいいんじゃない という価値観です。
このようなイベントの価値も以前に比べると下がってきたということもありそうです。
さらに言えば、もうひとつは、そもそもすべての人がひとりでいるのが好きなのではないか?ということです。
これは私の場合ですが、小さい頃からひとりでいる時間が多く、ひとりで何かをしなければならないことが多かったのです。
ですから自分ひとりの時間がもてないと、なにかを考えたり、深く思考したりできないので、ずっとそのような時間をとれるようにしてきました。
私にとっては電車で移動する時間、ホテルに泊まりでいる時間、お客様のところで仕事を始める前の時間、終わった直後の時間などでひとりの時間があります。
また、休みの日でも自分の趣味の時間、仕事をする時間、テキストや記事、本を執筆する時間は完全にひとりの時間が必要です。
私にとってはひとりの時間がとても大事なのです。
そんな時間をもちたい人は多いのではないか?と思うのです。
すべての人がそんな時間をもちたいと思っていても、なかなか時間をもちづらかったのが、スマホなどの発達によって、自分時間をとれるようになってきた ということで、もともとひとり時間をとりたかった人が今は自由にとれるようになり始めたのではないかとこの調査結果を見て感じました。
今はリモートで家で働く人もまだ多いです。
休みも以前よりはとれやすくなりました。
家に早く帰る人も増えています。
趣味の時間を確保する人も多くなったことでしょう。
人との交流は重要ですが、ひとりの時間を持つことも大事。
みんなでひとりの時間をもって、思考を深めていったり、あれこれ考える時間をとることで、自分を見つめなおしたり、仕事での課題整理をしたりできれば、もっといい日常になるのではないかと思います。
年末年始はひとりになる時間がとりづらいかもしれませんが、思い切ってそんな時間をつくって来年に向けてあれこれ考えてみましょう。
いい一年の計画をたてられると思いますよ。
今日もひとりの時間をつくっていけるいける!!