今は東京の百貨店は食品フロア以外はすべてほぼ休業状態。

三越伊勢丹にいたっては全館休業。

3月は過去最低の数字。

4月は確実にそれを上回るマイナスとなります。

マイナス65%〜75%程度か。

都心型百貨店であれば一番店は月間150億以上の売上があります。

二番店以下でも月間50億。

百貨店が一日休むということは、売上にして2億〜5億がなくなるのです。

これはひとつの店舗を大型化して、大きな売上をあげることで、そこから利益を得るという一店巨艦主義の百貨店ビジネスモデルだからこそ起きるマイナスインパクトです。

 

これは百貨店の中で商売をしてきたメーカーにも同じことが言えます。

アパレル大手のオンワード樫山が400店舗ほどを閉店するという発表が1か月ほど前にありましたが、

今まで通りの出店形態では収益をあげられなくなっているのです。

それに今回の百貨店休業はさらに大きな足かせとなって、5月から6月にかけて、百貨店出店によって売上をあげてきたメーカーにも大きな影響がでてきます。

 

大きな売上を一か所であげるということ、その店が閉まれば大きな売上がなくなるということです。

単純な仕組みだけに、今のような状況になるとかなりきつい。

今回のコロナをきっかけにして、百貨店ビジネスモデルは変えざるを得ないでしょう。

 

昨日、たまたま日本橋に行く必要があって、ついでに日本橋高島屋に立ち寄りました。

地下食品をみようと思い1Fの正面入り口からはいったのですが、1Fの正面入り口近くの地下食品へつながる導線沿いで、こんな売場が展開されていました。

 

(写真 日本橋高島屋1F)

 

生活に必要な商品を10坪ほどの場所に集めて販売をしていました。

そこには、タオルやシャンプー、男性用の下着やTシャツなど。

日常に使うかもしれない商品を集めて販売する特設コーナーでした。

 

なんだか泣けてきました。

 

いつもならここは1F正面で、化粧品やラグジュアリーブランドの商品がずらりと並び、

百貨店の顔としてイメージを訴求する一番の立地。

一番のフロアのはずです。

 

しかし今は、なんとか売場にしました というとってつけたような売場。

こんな売場ならないほうがいいとも思うような売場です。

売場を作った方には申し訳ないですが。

それくらいしょぼい売場です。

 

ただ日本橋高島屋は年齢層が高く、固定客になられている昔からのお客様もたくさんいます。

そのような方々が買い物時に生活に必要な商品を購入する可能性もあります。

そのような時に商品がご用意できていません とは言えない。

 

しかしあまりにも人が密集するような状況をつくるわけにもいかない。

何を集め、何を在庫すればいいのか。

いろいろと考えた結果作られた売場だと思います。

 

しょぼいですが、これを考えた人はえらいと思いました。

 

今何をお客様にできるのか。

考えに考えて作った売場。

 

こうした現場での取り組みにお客様は共感します。

 

そこで何があるかよりも、どんなことをお客様にしてさしあげられるかを考えることが大切です。

 

あまりにも人が集まってしまうような売場をつくったら今は×です。

しかし何もしないでじっと待っているのはもっとだめです。

 

今できることは何か。

今、お客様に喜んでい多だける最低限のことは何か。

それを必死で考えることです。

 

日本橋の一等地でもプライドも何もかなぐり捨てて、できることをやっています。

みなさんも今までやったことがないことでできることをやりましょう。

今できることに全力を傾けていけるいける!!