アルムナイという言葉をご存知でしょうか。
卒業とか出身者、OBという意味ですが、最近、日本の大手企業の間で使われ始めました。
日本企業の、特に大企業で使っているアルムナイは、「会社を辞めたOBのネットワーク」です。
話題になったのはヤフー。
「モトヤフ」という呼称で、ヤフーをやめたOBを定期的に集めてイベントを開催したりする取り組みが2年ほど前に注目されました。
イベントに参加している方々もとても楽しそうで、現役社員との交流も行われていました。
同じような取り組みをネット広告会社のセプテーニでも取り入れています。
アルムナイネットワークにOB社員がと登録すると、入社式の模様をOBが見れたり、現役社員が使えるキャリアカウンセリングをOBが利用できたりするようです。
会社を辞めても現役社員のようなサービスが利用できて、OBにとってもその会社との関係を続けられて、さまざまな情報を得やすくする取り組みです。
最近では、三井物産や三菱商事、住友商事など大手商社もアルムナイを始めたという話を聞きました。
総合商社で活躍した人はもともとバイタリティーがあり、人脈も世界中にもっている人が多いので、辞めた後も会社がつながっておく価値があります。
また最近では商社をやめてベンチャー企業を創業する人もでてきています。
そのようなOBと大手商社がつながれば、商社にとても新たな収益の芽を見つけられる可能性が高くなります。
だからアルムナイをオープンに認め始め、会社としても定期的にそのようなイベントを開始しています。
(写真 ハッカズーク)
このような市場に目をつけて、アルムナイネットワークのシステムづくりをして、その仕組みを活用すればそのままアルムナイがつくれるというサービスを提供する会社もでてきました。
「ハッカズーク」
会社と個人の関係価値を高めることを事業にしているという会社です。
このような会社が存在できるほど、会社にいた元社員を上手に活用したい会社は多いということでしょう。
同社が実施したネット調査によると、アルムナイを通じてOB社員とのつながりをつくっておきたいと考える人も多くいて、実に9割の人がつながりを続けているという結果もあります。
一度、同じ釜の飯を食ったメンバーとは何かでつながっているのですね。
もちろん逆に「会いたくない人」も半分はいるようですから、つながりをもちたくないという人もいます。
すべての人がすべてのOB社員とつながっていたいわけではないと思いますが、同じような考え方をもってある程度の仕事をした人たちとのつながりを続けていくことは会社にとってはプラスとなることが多いでしょう。
会社にとっては活躍できるかどうかわからない中途社員を大勢いれるよりも、やめた価値観も合っていて、仕事もできる社員とのつながりのほうが圧倒的にリスクが低いわけですから。
「一生働く人しか受け入れないという企業文化では優秀な人はやってこない」
と、やはりアルムナイをとりいれているSansanの寺田社長は言っています。
優秀な人材とつながっていようとする会社。
やめた会社とのネットワークによってさまざまな恩恵を受けようとしているOB。
お互いの利害が一致するところに、また新たな会社のカタチが見えてきます。
会社から見たらやめた人をリユースするという考え方。
人口減少、採用難の時代。
リユース人材をどのように活用していくかがこれからのひとつのテーマかもしれません。。
今日もつながりの作り方を考えていけるいける!!