ジブリアニメの超大作「もののけ姫」。
様々な角度から見て、感じることができる奥深い作品。
心に響く名セリフや名場面から、あなたは何を感じて何を学び取るだろうか。
自然と人間とが共生することを題材とした「もののけ姫」だが、様々な人間模様が交錯し、見る人たちの自分の感性をそのまま映しだしています。
印象に残るシーンやセリフというのは、あなたの中にある何かが揺れ動く証拠です。
私なりに心に響いたと思うシーンから、抜粋して紹介します。
「誰にもさだめは変えられない。だが、ただ待つか自らおもむくかは決められる」ヒイ様
どんな理由があったとしても、自分の行いには自分で責任を持たなければいけない。
それをそのままにして時間が経つのを待つだけが、こちらから立ち向かっていくのかは自分次第。
生きていく上で忘れてはいけないことかもしれません。
「肝心なことは死に食われぬことだ」ジコ坊
師匠の受け売りだと付け加えて言った言葉ですが、この何気ないひとことがとても深い。
生きることは死に食われない、恐れないこと。
どのような意味合いが込められていたかはわからないが、あなたはどう感じるだろうか?
「我が名はアシタカ!東の果てよりこの地へ来た!そなたたちはシシ神の森に住むときく古い神か!」アシタカ
アシタカとサン、山犬たちが最初に出会うシーン。
ここで注目したいのは、やはりアシタカの毅然とした態度だ。
何もやましさもなく、それ故に恐れることはない。
こうした姿勢を見せることによって、同じ人間でも山犬たちは敵とはみなさない。
もちろん、アシタカは何も考えずにそうしているのだが、これは見習うべきところ。
「曇りなきまなこで見定め、決める」アシタカ
タタラ場でエボシ御前に出会い、この地へ来た理由を述べるシーン。
このセリフから受け取れるのは、アシタカがまだ呪いとどのように向き合えばいいのかわからず、その答えを探しているといこと。
それには、曇りなきまなこで見定める覚悟が必要だということ。
これは、私たち現代人にもとても重要なこと。
傷を受けた者にしかわからない痛みがある。
だからこそ、これから自分が何をしていけばいいのかをしっかりと見据え、実践していけるかということだ。
「これ以上憎しみに身を委ねるな!」アシタカ
自らが呪いを受けて、その憎しみと恨みを持つことがどれだけ苦しみとなるのかを知ったアシタカ。
また、その憎悪の念を持ち続けて、それだけに身を任せて生きればさらに呪いは増えていく。
自分を救いたいからこそ、他者を救う力強いアシタカの言葉。
されたことを人にはしないという、そんな男になりたいですね。
「私は自分でここへ来た!自分の足でここを出る!」アシタカ
やはり、どんな場面においても、全ての行動は自分の責任。
だからこそ、自らの行動は誰にも止めることはできないこともよく知っている。
自ら赴いて、自ら去ることの潔さが男らしくて素晴らしい。
何が正しいのかわからなくても、これだけは守っていきたいですね。
「生きろ・・・そなたは美しい」アシタカ
瀕死の状態でサンに刃を向けられながらも伝えた言葉。
アシタカには、生きることに全力を尽くすサンの姿がとても美しく見えたのだろう。
だから、争わず、憎しみを捨て、生きることだけに力を注いでほしいという願いが込められているように感じる。
「あの娘を解き放て!あの娘は人間だぞ!」アシタカ
アシタカは、人間の気持ちも、モロの君の気持ちも、サンの気持ちも全て理解している。
ただ、サンの思いの根源は、モロの君が持つ恨みを映し出したものだと気づいていたのだろう。
サンにはサンの生き方がある。
それを認めてあげたかったのだろう。
別のシーンで、モロはサンに自由に生きることを許しているセリフがあるので、モロも心の奥底では本当はわかっていたのかもしれない。
「わからん、だが共に生きることはできる」アシタカ
モロの君にサンをどうするのかと問い詰められた時のアシタカの返答。
わからないと正直に答えているものの、それでも何かいい方法があるはずだという強い意志が見える。
このアシタカの姿勢には誰もがホレボレするだろう。
今はその答えはわからなくても、必ずどこかにいい解決方法があるはずだと諦めない。
この気持ち、忘れたくはないですね。
「シシ神の首とタタラ場とどちらが大切なのだ!」アシタカ
ひと昔前までは、男性が嫌がる女性の発言としてよく取り上げられていたもの。
「私と仕事とどっちが大切なのよ!」とよく似ていますね。
現代では、これは正しく聞こえるのは私だけだろうか。
本当に大切なものを守るために、動くべき時に動かなければ、多くのものを失ってしまう。
今それがやるべきことなのか。
アシタカは必死にそれを言いたかったのだろう。
「私は人間だ!そなたも人間だ!」アシタカ
クライマックスのシーンで、何もかも終わり、人間なんて大嫌いだと言うサンにかけた言葉。
誰もが自分の意思に従って生き、苦しみと闘いながら生きている。
それが人間であって、生きることの本質なのだということだろう。
「バカには勝てん」ジコ坊
全てが原点に帰り、作品の最後を飾るセリフがこれ。
簡単なセリフではあっても、これまでのストーリーがあってのこのセリフだからこそ、深い意味を持つ。
バカでもなんでもいいので、全てを諦めさせるほどのアシタカの強い心が、人を無欲に返したのだ。
最後に
もののけ姫という作品は、本当に多くのことを教えてくれます。
様々な人間模様がありながら、アシタカはたったひとつのことだけを貫いた。
どのキャラクターのセリフを見ても、理解は出来ることばかり。
それぞれに生きる理由があり、そうなってしまうのも仕方がないこと。
しかし、それでも苦しみに負けて、憎しみに身を委ねてはいけない。
強く生きるために、多くのことを学ばせてくれる。
こうした名セリフ、名場面からあなたは何を感じ取るだろうか?