単純で提携的な繰り返し作業が適していると考えられています。
しかし、そうしたルーティン作業は、
単独作業ではなく、集団作業であることが多いです。
そうです。リンゲルマン効果、つまり「社会的手抜き」に陥りやすい体制です。
私が関わった、ある会社での過去の事例を紹介します。
当時、経営環境の劇的な変化があり、
一部の部門が営業不信の状態にありました。
そのため、限られた人的資源を効果的に投入するため、
不採算部門にかける力を弱め、
可能性のある部門に多くの人材を投入する必要がありました。
そこで、不採算部門では、
これまで知的障がいのある社員10人でやってきた10人分の仕事を、
7人でできるように効率化を図ることが求められました。
しかしそのことで品質を下げていては
お客さまからの信頼を失ってしまい更なる悪化を招きかねません。
業務品質を落とさず、業務プロセスを見直し、
効率化を図らねばなりません。
あれこれ改善を試みましたが、
本質的な解決策が見つからないまま体制変更に突入してしまいました。
ところがどうでしょう。
業務量が変わらないまま、10人体制から7人体制に移行したのにも関わらず、
定時内で業務が完了するのです。
また品質に関しては、下がるどころか、
以前にくらべミス率がぐんと下がり、高品質な業務が行えるようになりました。
この要因として考えられるのは、
人が少なくなったことで、一人ひとりの責任感が高まったのではないか、
結果、従業員のやる気やりがいが引き出され、
個々人の仕事に向き合う姿勢に良い変化が現れたのではないかと推測できます。
この仮説を定量的に証明するのは難しいのですが、
リンゲルマン効果が薄れたことが、社会的手抜きを抑制し、
こうした効果を生んだのだと考えられます。
これまで10人分の仕事だと思い込んでいた業務量は、
実は7人分の仕事だったことに今更ながら気づかされたのです。
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