スペシャリストを目指す
転職を考える上で「職種」はとても重要です。
誰しも自分の能力・経験を活かせる職種に就きたいと考えます。
不動産ファンド業界は、専門性の高い職種が多い業界です。
アセットマネジャ―、投資家営業、ストラクチャードファイナンス、クローザー、アンダーライター、SPC会計などなど。
実は専門性が高い職種には、そのスキルを他の職種に活かしにくいという側面があります。
『専門職のキャリアパス』
これはすべての業界が平等に抱える課題です。
一時、ゼネラリストよりもスペシャリストという風潮が世に蔓延しそれにあわせて転職市場も形成されていきました。
専門性の高い職種だから育成するのではなく外部から調達する。
これは一見理に適っており、多くの人たちが転職市場に参入しました。
しかし、10年、20年スパンで考えたとき、スペシャリストは何を目指して働けばよいのでしょう。
①定年までスキルを磨きつづけスペシャリストとして生き抜くのか。
②それとも、管理職、経営者、または起業家を目指すのか。
前者の選択肢には、シニアなスペシャリストを雇用する労働市場が存在することが前提となりますが十分とは言えません。
かつスペシャルティというのは供給増と時間の経過によって徐々に汎用化していくものです。
現状ほとんどのスペシャリストは②後者を選択せざるをえないのではないでしょうか。
しかし、多くのスペシャリストは②後者を選択するための準備を全くしておらずその時になって愕然とします。
スペシャリストであることとスペシャリストを束ねて管理するというのは全く別のスキルなのです。
いわんや経営者や起業家においてや。
スペシャリストを目指すことは素晴らしいことです。
私はスペシャリストのキャリアを支援することに人生をかけています。
しかし、一点心がけておきたいことがあります。
自分のスペシャリティ以外の引き出し(経験・知識・人脈)を増やす努力を並行して行うこと。
一部の大手では定期的にジョブローテーションがあるやに伺っていますが、これは自分のキャリアの幅を広げるために絶好の機会だという気がします。
ジョブローテーションのない会社に勤めている場合でも、自分の専門に関係のない資格取得や勉強会に参加する機会を意識的に増やしてみてはいかがでしょうか。
一見何の役にも立たないと思える経験、知識、人間関係こそが、後々に自分のキャリアのみならず人生を豊かにしてくれる財でことを実感する瞬間が必ず訪れます。