(C)2006フジテレビジョン アルタミラピクチャーズ 東宝
『それでもボクはやってない』(06/日本/143分)
★★★★
監督・脚本 周防正行
出演 加瀬亮 役所広司 瀬戸朝香 山本耕史 もたいまさこ
1月20日(土)全国東宝系ロードショー
やってません!
やってませんって!
本当に僕は痴漢なんかしていません!!
何回言ったらわかってもらえるんですかぁ~!!(泣)。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・
という切実な無実の叫びが痛いくらいに伝わってきます
スゴイ映画です。この映画見たほうがいいですよ。
金子徹平(加瀬亮)は面接に向かう満員電車で痴漢に間違われ、現行犯逮捕されます。
しかし、現行犯逮捕されたら最後。
いくら、取調べで「やってない」ことを説明しても警察は聞く耳をもちません。
「やっただろ」の一点張り。
その上、認めたらすぐ帰れるということを強調し勧めます。自白を促すのです。
そして留置場に拘留された徹平は、検察庁で副検事に取り調べを受けますが、やっぱり無実の主張は通りません。そして、ついに起訴されてしまいます。
そこで問題が。
刑事事件で起訴された場合、日本の裁判での有罪率はナント!99.9%と言われているのです。
そう、徹平が無実の判決を受ける可能性は0.01%しかないのです。
しかしその0.01%に希望を託し、ベテラン弁護士・荒川(役所広司)と新米弁護士・須藤(瀬戸朝香)と共に徹平は闘います。無実の名誉にかけて。
日本の刑事裁判の問題点が、冤罪を生み出しているという現実。どこが、そんなに問題なのかは映画を見てください。
弁護士さんたちや、法廷関係者に向けた試写会では、「リアルすぎる」ともっぱらの評判。「よくここまで再現してくれた」とおっしゃている通り、本当に法廷を傍聴しているかのような143分。
アメリカではまじめなシーンで笑いが起きたとか。この日本の刑事裁判の現実に驚いたそうです。99.9%が有罪なんてありえないと
痴漢は犯罪です
しかし、痴漢事件の一番の問題は証拠がないという点
本当にやっていても、していなくても、触られたと主張する人が居る限り、その実証は難しい。そこを利用して、電車でおやじにムカついたということだけを理由に、「この人痴漢です」と濡れ衣をきせるという事件も起こっているのです。
女性側からしても、男性側からしてもデリケートな問題
特に男性は、この映画を見るともう怖くて電車に乗れなくなるかもしれません(@Д@;)
「shall we ダンス?」より11年ぶりに撮った映画ですが、裁判の調査には3年かけたそうで。どうりで厚みがあります。この監督は、本当に誠実で頭がよく人もいいんだなと感動しました。
周防正行監督バンザイ!
そして、やっと主演!「アンテナ」以来のやっとこさ「主演」!の加瀬くんおつかれ!ようやった!
精神的に追い詰められてしんどい映画でしたでしょうが、ものすごいはまってました!ちょっとへこむ役がホント似合うなぁ
「哀しい予感」の舞台もきっと見に行かせてもらうぜ。好き(告白)
あと、役所広司は相変わらず素晴らしいです。演技は世界レベルです。日本の俳優のお手本です