確定した仕様に基づいて契約額を決めないといけない。
営業は仕事を取って来るのが大事だが、たくさん金を
引っ張り出す算段をすることがより重要と言っていいだろう。
利益を出すために企業は営業している。
夏の終わりの某月某日、マンション2階の来客コーナー
にやや緊張気味の営業君二人が私に見積書の開示を
始めた。A課長と新人Y君である。
A課長がおもむろに見積書を開いた。
Y君は横で見ているだけ。新人には任せられないのだろう。
「決定した仕様に基づいて正直に積算するとこうなります」
A君が示した見積書には6000万円を超えた金額の記載
があった。
「さすがにこれではお叱りを受けますよね」とA君は
すばやくその見積もりをめくった。
「30周年記念キャンペーン対象として値引きを考慮する
と、この価格です」
6000万円を少し切る金額。
無表情で聞いている私を横目で見てA君が更に見積書
を一枚めくる。
「○○モニター(よくわからんww)を引受けていただくと、この価格」
さっきより若干安い。
A君は更に見積書をめくる。
「撤去工事と外構工事を本体契約から切り離していただければ
その分の管理費が下げられます。」
さっきより数十万円低い金額の数字があった。